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内容説明
地方経済の主役交代が始まった!
地方経済を支える新・起業家たちの実態、ビジネス手法を紹介する。
「ヤンキーの虎」とは、どのような人たちなのでしょうか。一言で言いますと、次のような人や企業のことです。
「地方を本拠地にしていて、地方でミニコングロマリット(様々な業種・業務に参入している企業体)化している、地方土着の企業。あるいは起業家」
これがヤンキーの虎の位置付けです。「地方豪族」と言ってもよいかもしれません。彼らが最も好むのは、「シンプルで、でっかく儲けられそうなもの」。それほど複雑なビジネスモデルではありません。とにかく儲けられそうだと思ったら、すぐに始める瞬発力と柔軟さを持っているのです。(中略)安倍内閣は、「地方創生」を日本再興戦略の一つの柱に据えました。また、前岩手県知事を務めた増田寛也氏の著書『地方消滅』(中公新書)はベストセラーとなりました。そういった意味では、今、地方にスポットライトが当たっています。そして、そのような地方創生の立役者となるのは、間違いなく「ヤンキーの虎」だと思います。ただ、彼らが地方経済の救世主となるのか、あるいは悪魔となるのかは分かりません。実際、ヤンキーの虎にも色々な人がいて、自分の金儲けだけに熱心な人もいれば、地方経済のことまで考えている人まで、幅広いのです。いずれにしろ、彼らに稼ぐ能力があることに対してはリスペクトしたいと私は考えています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニッポニア
68
そうか、地方経済はヤンキーが牽引している。暴走族、というわけではなく、あくまでも昔やんちゃしていた、という人々。抜群に打たれ強く、立ち直りが早い、地方においてはそれが全てと言えそうです。以下メモ。稼ぐ、に特化できる強さ。事業を多角化し、ある分野で失敗してもすぐに乗り換える。羊の群れの中の狼として、地盤を半ば強引に引き継ぎ、地方を独占する。フランチャイズの引き受け手として、中央から引く手数多。勉強熱心で、情報収集を怠らない、成功しないわけがない。ユニクロなど日本を代表する企業も元々ヤンキーの虎が仕掛けた。2024/01/02
imagine
11
『ゲコノミクス』で、非飲酒市場の可能性について独自の視点から語っていた著者。その前に書かれた、地方発ベンチャーについての本。「ヤンキー」「虎」といったフレーズを用いる遠慮の無さが良い。建前より本音の部分、外見より生い立ちを観察することで、新たな地方経済の構図が立ち現れる。衰退しているはずの地方から、販売力の強いヤンキー達が競争することなく台頭する様子には、説得力がある。最近よく見かけるカラオケまねきねこも、この流れだったか。世間で評価されていない人々や市場をいち早くキャッチするアンテナは、さすが投資家。2022/04/25
晴れ女のMoeco
8
地方で起業して、地方経済を回すヤンキーの虎。ずば抜けたビジネスモデルではなく、 人的資本が大きい(仲間意識に有力者とのつながり)ことが強み。 たしかに東京のひとが、立派なビジネスモデル引っさげても追い払われそうw お金は回すものという考え方は強く同意だ。2020/09/04
砂王
7
地方経済の現状を垣間見ることができる。地方と東京の歩む道に、明確な違いが出始めている。一概には、本当に、言えなくなってくる。2016/05/15
西澤 隆
6
「マイルドヤンキー」が30代くらいまでのひとを想像させるだけに「ヤンキーの虎」ももっと若くてやんちゃな経営者を想像するけど、冒頭紹介された経営者が隣町の人だったことで「あ、思ったよりずいぶん年上の地方経営者についての本だな」と再認識してから読みはじめられたのは良かった。都市部だけを見ているとわからないことが地方にはたくさんある。都市部以外の流れや試みをきちんと再認識しようという本。考えてみれば周りにもそういう経営者はけっこういるなあ。そしてお題目を唱えるよりも「やる」ことが大事なのはどこも同じだな、とも。2016/05/09