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内容説明
元東京都監察医務院長を務めた監察医である著者は、長年にわたり、変死体がなぜ死にいたったか、検死・解剖を行ってきた。
それをまとめた著書『死体は語る』は、65万部を超えるベストセラーになったが、今回、初めて「死体の再鑑定」についてまとめた本を書き下ろす。
著者の元には、警察、保険会社、および遺族から再鑑定の依頼が数多く寄せられる。
引き受けた著者は、なぜ最初の鑑定が間違っていたかを紐解いていく。
「溺死ではない、殺しだ。事故死ではない、病死だ。病死ではない、暴行死だ」。
最初の鑑定の嘘を暴いていく様は、上質なミステリーを読んでいるようにドラマチックだ。
ときには裁判所で、証人として最初の鑑定人と対峙したり、再鑑定の再々鑑定を提出したりと……事件は2転、3転。
まさに究極のノンフィクションミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
53
監察医、上野さんの新作。知らない世界を読めるのは読書の楽しみですが、これはちょっと私にはあいませんでした。9つの事案、中にはワイドショーをにぎわせた事件もありました。どういういきさつで再鑑定になったか、どこが違って、どうくつがえしたかが書かれているのですが、あまりにも専門的過ぎ。ストーリーそのものより、観察の部分に焦点を当てており、教科書を読んでいるようでした。読み始めたら挫折することは少ないのですが、これはほとんど飛ばし読みで終わってしまいました。2016/04/09
モルク
49
長年監察医をやってこられた上野正彦先生の本二冊目です。今回も死者の声に耳を傾けその死の真相を探る氏の姿に胸が熱くなった。今回は、別の法医学者の鑑定結果に疑問をもち再鑑定を行うものである。著名な法医学者がプライドを持って出した鑑定を覆す、まさに死者の身になってその声を聞こうとしているからこそできること。氏のその信念、志に頭が下がる。2017/05/17
モモ
39
今回も興味深く読んだ。殺されたのに溺死とされた人。写真を一目見て違うと分かる上野氏がすごい。踏切での事故も、何度も現場に立ち会っているからこそ分かる知識で真実を暴いていく様子がすがすがしい。保険金のために上階から落ちたり、線路に横たわったり…上野氏が明らかにした現場を想像すると、やるせない。決意の自殺と事故では落ち方が違うというのが、またやるせない。自転車かバイクにはねられ頭を打ち亡くなったのに、医師の判断間違えにより、結局犯人を捕まえられなかったのが悔しい。上野氏のような監察医が増えてほしい。2025/01/29
えっくん
31
★★★☆☆著者は法医学の第一人者として検死解剖に関する本を多数上梓されていますが、この本は著者が保険会社などから依頼を受け、死因の再鑑定を行った結果、当初の鑑定結果が覆った事例が幾つか掲載されています。被害者や加害者といった当事者のみ知り得る死の真相も遺体に僅かに残った痕跡から謎を解明する著者の卓越した分析力には感嘆するばかりです。死者の尊厳を守る上でも法医学の重要性を認識しましたが、1929年生まれの著者はご高齢でもあり、引き続き法医学会の発展のためご健在で活躍いただきたいものです。2021/01/10
早瀬主税
25
変死した死体を鑑定し、その死の真相を明らかにしていく監察医のドキュメンタリー。 先入観が覆される過程に息を飲むとともに、死に方によってここまで死後の状態が違うものなのかと感心しました。悪いことはできないですね。また、今後国内外に、上野先生のような真摯で先入観に惑わされない鑑定をしていただける監察医が増えていくことを願うばかりです。2019/08/25
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