内容説明
庶民の「申楽」を、「能」という幽玄の域にまで高めた世阿弥。金春禅竹はその娘婿となり、指導を受けて深く結びついていった。そして義父の最期のとき、奥義が記された伝書が遺される。世阿弥が伝えようとした秘法とは……表題作のほかに、能楽を大成した世阿弥を描く『風花』/闇を背負って禅の修行に明け暮れた一休宗純を描く『闇鴉』/わび茶の祖・村田珠光を描いた『詫茶』。求道にかけた互いの宿命が交錯する連作歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
苺畑序音
12
世阿弥元清・今春禅竹・一休宗純・村田珠光が繋がっていく。心にというよりも下腹あたりにズシッとくるような感覚を感じながらの読書でした。一休宗純「無情の殺鬼、一刹那の間に貴賤老少を選ばず。」浮かれているとすぐに曝首みたいになっちゃうぞ と。ご用心、ご用心。2016/10/26
ちゃかぱん
6
・有漏時地より、無漏地へ帰る一休み。雨降れば降れ、風吹かば吹け。 ・門松は冥土の旅の一里塚、めでたくもありめでたくもなし ・闇の夜に啼かぬ鴉の声聞けば、生まれる先の親ぞ恋しき 一休(本文より)教科書引っ張り出して、室町時代の歴史を読み返しながら読了。歴史も文化から入れば面白かったはず。2015/12/04
mushoku2006
5
登場人物全員になんらかのつながりがあり、 連作になっています。 まず初めの2人、 ぶっちゃけ私は伝統芸能に疎く、能なんかもう全然さっぱり。 なので、理解できたとは言い難いのですが、 雰囲気だけは伝わりました。 次の一休禅師は、 私は禅には興味も何もないので、これはもう全く??? 最後の村田珠光のお茶の世界は、比較的まだなじみがあるので、 そこそこ面白く読めました。2015/11/20
あっき
3
主人公たちを襲う苦境に読んでいて苦しくなることもありましたが、読後感は清々しくて良いです。ラストの詫茶が他三作に比べて明るいのが尚良かったのかも。文化人視点で描かれる歴史小説がこんなに面白いとは思わなかったです。2017/04/25
ヨシモト@更新の度にナイスつけるの止めてね
3
能・禅・茶。「無」や「空」を追究する禅の考えは、死を究極のゴールとして生を研ぎ澄ます武士ならでは美意識なのだろう。平安の王朝文化と江戸の町人文化の間にあった室町の武士の文化について、知識の空白部分を埋めてもらえた。いい読書だった。読み終えて、一服の茶を飲んだような気分だ。2016/01/14
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