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内容説明
ナショナリズム、歴史修正主義、国語力低下……日本を蝕む「反知性主義」に負けない強靭な「知性」を身につけるには? いま、日本には「反知性主義」が蔓延している。反知性主義とは、「実証性や客観性を軽視もしくは無視して、自分が欲するように世界を理解する態度」だ。政治エリートに反知性主義者がいると、日本の国益を損なう恐れがあると、著者は主張する。実際、その動きは安倍政権下で顕著だ。麻生副総理の「ナチスの手口に学べ」発言や、沖縄の基地問題を巡る対応などに、それは現われているといえるだろう。本書では、この反知性主義が日本に与える影響を検証し、反知性主義者に対抗するための「知性」とは何かを考える。あわせて、本当の知性を私たちが身につけるための方法も紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
242
いつの時代でも反知性的主義にならないように、取り分け政治家は国の行く末を誤る危険性があると思った。中々面白かった。2015/06/21
つねじろう
77
やっぱり佐藤優の顔だね。この顔で知性を語るかとツッコミも入れながら逆に興味を持ちこの迫力で思わず手に取り買ってしまう人が居ると確信しての帯。でも中身は至極まっとうで大変論理的。集団的自衛権、イスラム国、中国ロシアとの外交問題、沖縄問題等タイムリーな話題を反知性主義者とヤンキーの共通点等大変分かりやすく例えながら勉強しない現代人、知性を高める事に努力や敬意を払わない今の日本人に警鐘を鳴らしまくる。それだけでなく反知性主義に負けない方法や知性を身に付ける読書や三カ条の心得まで教えてくれる。とっても親切佐藤優。2015/07/17
ehirano1
65
「スコットランド独立運動」について、本土と沖縄ではここまで見解が異なるのですね。これを柄谷行人の「遊動論」を以って分析する著者も相当なものだと感服しました。「遊動論(柄谷行人)」を読もうと思います。2017/07/15
ehirano1
63
「遊動論 柳田国男と山人(柄谷行人)」を消化することで反知性主義へ対抗できるということで、先述の書の解説がメインなのですが、当方には難解でした。十分に消化しきれていないのでもう一回チャレンジです。2017/04/16
壱萬弐仟縁
53
1か月で5刷とは売れている。反知性主義:実証性や客観性を軽視もしくは無視して、自分が欲するように世界を理解する態度(16、146頁)。公明党が連立与党にいなかったら、政府の政治判断で随時、自衛隊の海外派兵を可能にし、戦争ができる閣議決定になっていた可能性が高いという(39頁)。公明党が抑止力? 柄谷行人氏の思想:史的構造を語ると同時に現実についても語る(69頁)。他人の気持ちになって考えることができるようになることが、反知性主義克服の第一歩(78頁)。他者への配慮、思いやりが全ての基本である。2015/10/06