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内容説明
2015年6月に文科省が出した「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」の通知を受け、各メディアは「国が文系学部を廃止しようとしている」と報じ、騒動となった。これは事の経緯を見誤った報道ではあったものの、大学教育における「理系」偏重と「文系」軽視の傾向は否定できない。本著では、大学論、メディア論、カルチュラル・スタディーズを牽引してきた著者が、錯綜する議論を整理しつつ、社会の歴史的変化に対応するためには、短期的な答えを出す「理系的な知」より、目的や価値の新たな軸を発見・創造する「文系的な知」こそが役に立つ論拠を提示。実行的な大学改革への道筋を提言する。【目次】第一章 「文系学部廃止」という衝撃/第二章 文系は、役に立つ/第三章 二一世紀の宮本武蔵/第四章 人生で三回、大学に入る/終章 普遍性・有用性・遊戯性/あとがき
目次
第一章 「文系学部廃止」という衝撃
第二章 文系は、役に立つ
第三章 二一世紀の宮本武蔵
第四章 人生で三回、大学に入る
終章 普遍性・有用性・遊戯性
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲオルギオ・ハーン
32
2016年発行。東京大学の副学長、大学総合教育研究センター長を歴任されていただけあって、無責任な理想論ではなく冷静な現状分析と将来像を解説する一冊になっている。学問について役に立つ、立たないという近視眼的なことで考えて大学を運営するのは適切ではない思う。学問的な問題意識を持って、ゼミでみんなと意見を交換したり、議論しながら研究するというのは在学中はその価値をよく分からなかったが、卒業後にそれがとても貴重な経験だったし、実は仕事の中でも活かされていることに気付かされることがある。2023/08/15
ステビア
30
熱くて充実してる2021/09/08
緋莢
25
「大学は、何に奉仕すべきか?」2015年6月、文部科学省が出した「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」という通知は、「国が文系学部を廃止しようとしている」と各メディアが報じて、騒動となった。事の経緯を見誤った報道ではあったが、「文系」軽視の傾向は否定できないものがある。「役に立たないが、価値はある」という風説の真意を探り、「文系的な知」が役に立つ論拠を提示。実効的な大学改革への道筋を提言した本。2016/07/10
Ecriture
21
これは読んでほしい。文系学部廃止論は、メディアや知識人が安倍政権叩きのネタとして過剰に受け止めたきらいはあるが、文系が不要と認識される下地があったことは大問題。反論した教員たちもリベラルアーツ・教養教育・人文社会学の区別がついておらず、有効な反論が少なかった。文系学問に属すると思っている教員が、「文系学問は役に立たない。しかし役に立たないものにも価値がある」とよく考えもせずに開き直って主張することを、ウェーバーの「目的合理的行為」と「価値合理性」の概念や大学学問の歴史を用いて適切に批判している。2017/03/27
ひよピパパ
20
2015年に文科省が出した通知に端を発した文系学部廃止論の問題点を指摘するところからはじまって、価値創造的次元における文学の知とその有用性、大学のあるべき将来像へと議論が進められている。随所に筆者の卓見が光り、感服した。形式的な柳生流の剣法と、相手に応じて柔軟に適応する宮本武蔵の剣法を例に出しながら、大学の改革には後者を目指していかなければならないとする議論は面白かった。2020/02/21
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