ソングライン

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ソングライン

  • ISBN:9784862760487

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内容説明

<p>「自分自身が最も強く影響を受けた作品は他でもない本書『ソングライン』である。
この分厚い物語をガイドブック代わりに、ぼくはオーストラリアを北から南へと縦断した」
――石川直樹(解説・写真)
</p><p>オーストラリア全土に迷路のようにのびる目にはみえない道―ソングライン。
アボリジニの人々はその道々で出会ったあらゆるものの名前を歌いながら、世界を創りあげていった。
かつてのドリームタイムに大陸を旅した伝説のトーテムの物語に導かれ、チャトウィンは赤土の大地に踏み出す。</p><p>人はなぜ放浪するのか――絶えずさすらいつづけずにはいられない人間の性を追い求めた
チャトウィンが、旅の終わりに見出したノマティックな生き方の真実とは?
紀行文学の最高傑作を写真家・冒険家 石川直樹氏の解説付で復刊。</p>

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

46
小説のような紀行文なのでしょう。オーストラリアのアボリジニの足跡を現地の案内人と一緒に訪ね歩いています。読んでいるとしみじみとした感じがしてきます。やはり騒々しい都会を離れてこのような地域を歩くのはたまにはいいのかもしれません。パタゴニアを昔読んだのですがこのソングラインもかなりいい本だという気がしました。2015/02/09

紫羊

21
「パタゴニア」に陶酔し過ぎて、何となく次を読むのが躊躇われたことから、この本は長く読まないままだった。ヘルツォークの「歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡」を観て俄に手に取った。日に焼けて黄ばんだページを夢中で繰った。チャトウィンの幼年時代の思い出から始まる「パタゴニア」のしっとりした雰囲気とはまた違った魅力にあふれた作品だった。後半に挿まれた作者のノートの記録も興味深く読んだ。数少ない残りの作品も読んでみたい。2022/08/30

多聞

19
神話の時代にアボリジニの祖先が旅の中で出会ったものにまつわる名を歌い、世界を創造した証ともいえるソングライン。本書はオーストラリア全土に広がるソングラインをめぐる旅の記録であると同時に、人は何故放浪せずにはいられないのか、という答えの出ぬ問いに向き合った思索の足跡でもある。随時挿入される「旅のノート」からは、チャトウィンが優れた観察者であったことがうかがえる。2013/03/24

erierif

15
美しい本だった。風のように旅をする作家ブルース・チャトウィンの日々。前半はガイドの青年とオーストラリアを取材してまわり、後半はパリの手帳(モレスキン)からの抜粋でコラージュされている。本書を読んで彼の本質が美術家であるのを強く感じた。美しい人々、文化、言葉、会話、歌、風景、瞬間…閉鎖された文明社会の美術から飛び出して世界の生きた美しさをこの本に書きとめたのだろう。2015/07/01

世話役

14
書評ではなく思い出を語ろうと思う。静かな本を読みたくて『ハドリアヌス帝の回想』を探していたところ、代わりに本書が出てきた。確かに、これも静謐な本だ。だが、僕にとって本書は昔付き合っていた人にプレゼントしたものであり、心の琴線に触れる存在である。「いるべきでない場所にいる」とは本書を知るきっかけとなった池澤夏樹の言だが、キャパの写真を愛し、いつも「いるべきでない場所にいる」風を漂わせていたあの人は、どこかで元気にしているだろうか。チャトウィンの写真を眺めつつそんなことを考えていたら、眠りそびれてしまった。2014/11/21

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