内容説明
『テルマエ・ロマエ』『プリニウス』のヤマザキマリ推薦!!
「古代の大帝国を支えた奴隷越しに 我々の生きる現代社会が見えてくる」
古代ローマ貴族が教える、究極の“人を使う技術”
◆奴隷の買い方
→若いやつにかぎる
◆やる気を出させるには
→目標を持たせ、成果報酬を採用しろ
◆管理職にするなら
→顔の良い男は避けろ
◆拷問の行い方
→奴隷は資産。適度な鞭打ち、鉤吊りを
◆性と奴隷
→家族を持たせて人質に
◆反乱を防ぐには
→互いに話をさせるな
他、古代ローマ社会を知り、立派な主人になるためのヒントが満載!!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
405
KUにて。おもしろい。そう思った要素は2つある。①ギリシャからローマ時代にかけて、当時の社会で当時の奴隷がどのような立場にあり、社会制度及び主人たちはそうした奴隷にたいしてどのような扱いをしてきたかをうかがい知ることができる ②「奴隷」とはそもそもなんなのか? 奴隷とそうでない人々を分かつものとは何なのか……に対する問いかけから、現代に生きる人々のなかにも少なからず奴隷がいることを想像させられる。当時のローマ人(想像の産物)に語らせる形式もユーモアがあり、読んでいて楽しかった。2016/09/09
starbro
102
塩野七生も書いていない「奴隷のしつけ方」楽しく読めました。ローマ帝国の後期に解放奴隷が力を持った理由も良くわかりました。もっと安価かと思っていましたが、標準的な奴隷で一人1,000万円程度してたんですね。現代でも奴隷的人間が2,700万人以上存在しているのはビックリです。かなりマニアックな内容ではありますが、現代の経営者が人を採用して教育し活用するのに通ずるものがあります。2015/09/13
えちぜんや よーた
99
奴隷といってもムチでしばきまわして、死ぬまでコキ使えばというものではないらしい。本人の能力に応じて適材適所に配置して、良い働きには食料配給や特別休暇で報い、主人に従順であることを徐々にすりこんでいく。長時間労働のデメリットも説かれていて、これって現代企業の労務管理書ですかね?2016/07/03
ロア
59
奴隷=会社勤めの私達、ご主人さま=上司、社長の図式がたびたび頭をよぎりつつ読了。自由市民への道は遠く険しいです(;^ω^)この本とは無関係だけど、アメリカの奴隷制度や先住民族迫害の方が何倍も何十倍も残酷だろうと思うよ。2016/11/15
Kawai Hideki
47
ケンブリッジ大学の古典学研究者が、紀元後1〜2世紀頃のローマ人貴族になりきって奴隷管理方法を解説する異色の本。奴隷を買う時の注意点、奴隷の反乱や脱走を防ぎ、効率よく働かせるための動機付けの方法、家畜としての奴隷の増やし方、罰や拷問の必要性と与え方、奴隷の解放と解放奴隷とのつき合い方などを解説。奴隷のモチベーションをコントロールしうまく働かせる方法は、現代にも通ずるところがある。奴隷制度という形はなくなっても、人は「自由」という名の下に、案外簡単に奴隷状態に慣らされてしまうのかもしれない、と思った。2016/08/04