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内容説明
ディランの歌は深読みを誘う.聴けば聴くほど憶測をよぶ.意味を問えば問うほど意味が逃げていく.謎多き現代の吟遊詩人.「風に吹かれて」「ライク・ア・ローリングストーン」など,数々の名曲で人びとを魅了しながらも,つねに人びとの理解を超えていく.その人生の足跡と作品の軌跡をたどりながら,幻惑するトリックスターの核心に迫る.
目次
目 次
はじめに
第1章 ソング・トゥ・ウディ
1 ロバート・アレン・ジママン
2 ボブ・ディランになる
3 グリニッジ・ヴィレッジ
4 ウディに捧げる歌
第2章 ライク・ア・ローリング・ストーン
1 自分で歌をつくる
2 ハモンドとグロスマン
3 時代は変る
4 変化の胎動
5 すべてを故郷へ
第3章 タングルド・アップ・イン・ブルー
1 くそでかい音でやろう
2 イメージ解体
3 決壊前夜
4 魂の彷徨
第4章 ライフ・イズ・ハード
1 終わりのない旅
2 新たなステージへ
3 忘れ去られし時
終章 トゥゲザー・スルー・ライフ
1 いつまでも同じだと思うなよ
2 果てしなきディラン道
あとがき
参考資料
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いたろう
47
フォークロックの先駆者、ロック界の吟遊詩人、異端児。ノーベル文学賞受賞のニュースに驚かされたボブ・ディランの伝記とその音楽の変遷。これを読むと、フォークギターをエレキに持ち替え、プロテストソングを捨てて、ブーイングの嵐を受けたのも、ディランの中では自然の流れであったと分かる。彼にとって、フォーク、ロック、カントリー、ゴスペルの違いなど大した問題ではなく、大事なのは、その時々で自らをいかに表現するかなのだろう。本書は2013年の発行だが、96年以来ノーベル文学賞の下馬評に上がっているとある。そうだったのか。2016/10/17
抹茶モナカ
22
ボブ・ディランの活動の歴史をまとめた新書。自分で自分を変革し続けて来たアーティストだとわかる。ノーベル文学賞受賞者に関する本というより、アーティストとしてのボブ・ディランを捉えた入門書的な本。音楽活動について、主に書かれていて、ボブ・ディランを聴き始めるには、わかりやすい本で嬉しい。2016/12/07
hideo
22
東京に行く新幹線の中での読書。デビュー前の話を読むとフォークからの変節もわかるような気がする。 「激しい雨」までのディランには、時代を語る普遍性があったように思う。ポップスは時代に沿って、音を厚くし、音域を広げ、リズムも複雑になってゆくが、新しいものは1~2年で古いサウンドとなってゆく。しかし、好き嫌いはあろうが1966年にディランが「How dose it feel?」と奏でる音楽はNHKの冒頭歌としても充分時代をとらえている。2015/02/05
林 一歩
18
みうらじゅんと比べると、湯浅氏はディランを客観的に捉えているので、著者が語るディラン評は安心して読むことができる。2014/03/21
Satoshi
12
ノーベル文学賞まで受賞したボブ・ディラン。ロック界への影響力は言うまでもない。無骨な歌詞は詩的で難解。本書を読めば、彼のセルフプロデュース能力の高さを感じた。2022/11/02