クローム襲撃

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クローム襲撃

  • ISBN:9784150107178

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内容説明

全世界のコンピュータ・ネットワークの織りなす情報の宇宙、電脳空間。おれたちは神経系をデッキに直接つないで、この空間に侵入するスーパーハッカーだ。つぎのターゲットはクローム。暗黒街のボスが築いたこのデータの砦を切りくずし、大金をかすめ取ってやる…疾走感あふれるシャープな展開の表題作ほか、『ニューロマンサー』のヒロイン、モリイの若き日々を描く「記憶屋ジョニイ」、さらに記念すべき処女作や、盟友スターリングとの共作など、サイバーパンクSFの旗手として各方面から熱い視線をあびたギブスンが、ハイテク未来を鮮やかに描ききった全10篇を収録!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

猿吉君

74
全く古さを感じないサイバーパンク小説の最高峰、クールで少々悪い人達が電脳世界で活躍します。①とはいえその独特な文体に慣れてないと苦戦、私はニューロマンサーを最初に読んだので割とすんなり入れましたがそれでも読むのにえらい時間かかりました。。②記憶屋ジョニーとクローム襲撃がやはり突き抜けて面白い、ジャックインしてなんぼですからねえサイバーパンクは。③宇宙ステーションの老人の結末にほっこり。 点数85/100→ちょっと意味わからない作品もありつつもまた再読したいなあと思わせる世界観は流石でした。2023/01/24

藤月はな(灯れ松明の火)

60
短編なので強い酒のようにエッジが効いているのにドライ。特に黒丸尚氏の翻訳はストイックな自省と思考と感情で動く自己を離れた視点から見ているような「自己」の表現の仕方は上手過ぎます。現実に寄り添う破滅を超えた先への予感に慄然とさせられた「ガーンズバック連続体」、ドライなロマンシズムが漂う「ニュー・ローズ・ホテル」と屑なりの矜恃と正義に対する無常観を描く「ドッグファイト」がお気に入り。2014/11/01

ちぃ

33
バーナード嬢曰く。の神林しおりがSFファンはSFを「実はみんな結構よくわからないで読んでいる」と言っていたような気がするけれど実にそうだと思う(笑)独特の世界観になれるのに時間がかかりなんとなく話が見えてきて面白くなってきたのはラスト3作ほどから(;´・ω・)でもなんでだろう、結構雰囲気だけで楽しめちゃうんだよな、、『ニューロマンサー』に繋がる話があったり、攻殻機動隊を彷彿させる話があったりでとりあえず満足。でも再読必死だな><本作、ニューロマンサーと来たら次ギブスン作品なに読んだらいいでしょう??2017/01/15

里愛乍

32
ギブスンの短篇集。もっとも読みたかった「記憶屋ジョニイ」が読めて満足。やっぱりモリイさんはどんな時もいつでもカッコいいですねえ。それとハードボイルドタッチの「ニュー・ローズ・ホテル」何だか昭和のかほりが漂っていてお気に入りです。スターリングによる「序文」も激しく同意で面白かったです。私がこれまでSFというジャンルが苦手だったのはこれなんだ!偏見はほんと自分の人生を損にする。ギブスンという作家との出会いに感謝です。2014/11/25

Kepeta

18
ギブスンの書く文章というのは視覚的なイメージ喚起力が本当に強い。一方で、ハードボイルド感と詩情が絶妙にミックスした、ハードでありながらウエットな感性がギブスンという作家の持ち味であることが短編だとよくわかる。記憶屋ジョニィとクローム襲撃、ニューローズホテルがお気に入りだが、まるでハンター・トンプソンのようなビートニク感のあるガーンズバック連続体が、実はギブスンの作家性のルーツなのかも。「ふさわしい連中」を読んだら、ギブスン作品の映画化に最適な監督は実はクローネンバーグではないかと思い当たった。2017/12/10

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