内容説明
願望まじりの「衰退論」とは裏腹に、いまだ世界はアメリカの魅力と呪縛から逃れられない。中国や中東へ積極的に進出する大学やウォルマート、アフリカのメガチャーチ……こうしたアメリカの「文化的遺産」が、政治・教育・宗教などあらゆる分野で世界中に拡散、浸透している。アメリカ研究の第一人者が現場を歩き、その影響を考察する意欲的論考。※単行本に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
24
慶大SFC教授、アメリカ研究者、15年著。米国に関してのコラム。国の未来の大きな資本になるであろう高等教育。著者の卒業したハーバード大学院を始め、多くの米大学がアジア、中東にも校舎を作られていることから見て人材育成に力を入れていると感じた。その他はウォルマート(殆どが中国産であり新型コロナウィルス後の展開が気になる)、メガチャーチ、ロータリークラブ、ヒップホップなど多様性を感じる内容。2020/03/20
ぷれば
9
世界第一位の超大国でありながら、およそ20年ごとに取りざたされる「アメリカ衰退論」。20世紀はアメリカの世紀であったことは、紛れもない事実であり、ハードパワーの幕切れも否めないことかもしれない。本書は、時代や地域(米国)を越えて世界に及ぼす影響、文化・教育・制度・価値観など、文化的レガシー(遺産)を探索している。個人的な感想としては、紹介されている事例など興味深いモノがあるが、総じて浅薄な印象。米国は、想像以上にエネルギッシュで広く大きい感がより強くなった。2016/01/14
isao_key
7
ハーバード大学修士・博士卒の学歴を持ち、現在慶応大学SFC教授である著者の現代アメリカ論。ハーバード、リベラルアーツ、ウォールマート、メガチャーチ、セサミストリート、政治コンサルト、ロータリークラブ、ヒップホップの8つのテーマからアメリカの過去と現在について探る。すべえて自ら取材をしており、とても良質なルポルタージュである。アブダビにあるいくつもの国立大学には、最新鋭のハイテク機種が並ぶ超近代的なキャンパスで、授業料、教材費はすべて無料。欧米諸国を中心に指導者、経営陣、企業、研究所を積極的に招聘している。2017/01/26
koji
6
アメリカを書物で定期的にウォッチしています。特に渡辺先生の現代アメリカ論は、そのリベラルな視点から私には親和的で、これが4冊目です(渡辺先生の書評誌を含めると10冊弱)。本書は、テーマコミュニケティを主題にアメリカの世界への影響力を描きます。ハーバードのリベラルアーツ教育、中国へのアメリカの大学の進出、道徳的ポピュリズムのウォルマーティゼーション、メガチャーチの影響を受けたアジア牧師のアメリカンレガシー、セサミストリート、ヒップポップによる文化外交等。とりわけロータリークラブの伝統に良きアメリカを感じます2016/06/05
とある本棚
4
アメリカのソフトパワーと言う観点から、高等教育・ウォルマート・メガチャーチ・セサミストリート・政治コンサルタント・ロータリークラブ・ヒップホップの7つのテーマについて分かりやすく解説している。どのテーマについても基礎的な部分から解説しており、著者の軽妙な語り口と相まってスムーズに読み進められる。グローバル化=アメリカ化ではないものの、アメリカ文化の豊かさと可能性が感じられる一冊。同時に、時を経るにつれて、文化が政治に取り込まれている側面も描かれており、文化と政治の距離についても考えされられる。2022/04/24
-
- 電子書籍
- がん治療に殺された人、放置して生きのび…
-
- 電子書籍
- [全面改訂版]エクセル兄さんが教える …
-
- 電子書籍
- 一手ずつ解説! 碁の感覚がわかる棋譜並…
-
- 電子書籍
- AZUMI-あずみー(3) ビッグコミ…
-
- 電子書籍
- ドラゴンクエスト ダイの大冒険 1 ジ…