内容説明
われわれはどのようなロボット社会を迎えようとしているのか?
本書では、日常活動型ロボットの代表的なものとして、人間に酷似したロボット、いわゆるアンドロイドの研究開発を例に取りながらその研究開発を紹介すると同時に、その研究開発を通して、どのように人間に対する理解を深めていけるかを議論していきます。特に、人間の存在とは何か、心とは何か、感情とは何かという、人間にとって重要であるが答えが簡単に得られない問題について、アンドロイド研究がどのような哲学的考察をもたらすかを議論します。本書を通して、今後われわれはどのようなロボット社会を迎えようとしているのか、そしてそのロボット社会においてわれわれは何を学ぼうとしているのかについて、考える機会を持っていただけたら幸いです。
目次
第一章 ロボット社会
ロボット社会
ロボットの役割
情報化社会とロボット
遠隔操作型ロボット
センサネットワーク
遠隔操作型ロボットによるサービス
人を知るためのロボット研究
子供アンドロイドと不気味の谷
アンドロイドの人間らしさ
アンドロイドサイエンス
第二章 アンドロイド
アンドロイドによる伝統芸能の保存
アンドロイドによるショーウィンド
アイドルとしてのアンドロイド
服を販売するアンドロイド
対話するアンドロイド
社会的状況における対話
遠隔操作型アンドロイド、ジェノミノイド
ジェノミノイドの人間らしさ
ジェノミノイドへの適応
ジェノミノイドと自分
第三章 人とロボットの関わり
ジェノミノイドと経験の共有
感情の表現
心の表現
人間の人間らしさ
人間のミニマルデザイン、テレノイド
高齢者とテレノイド
教育におけるテレノイド
人間の存在感
存在感・安心感を伝えるメディア
人間の存在を伝達する携帯型メディア
第四章 ロボットの進化と人間
より人間らしい動きを実現する人工筋肉
生体の原理
より人間らしい身体の制御
より人間らしい学習
社会性を持つロボット
意図や欲求の理解
人間とロボットの違い
ロボットの定義と人間の定義
人間の進化とロボット
人間の鏡としてのロボット



