内容説明
「都市の起源」を探究することは、文明の起源を知ることである。従来、「世界最古の都市」とされてきたエリコ遺跡は、近年、その「都市説」が見直されている。本書では、イラクのウルク遺跡と、シリアのハブーバ・カビーラ南遺跡を「世界最古」の有力候補とし、さらに、メソポタミア各地の遺跡を検討。人の移動、すなわち「よそ者」の流入を契機に快適な生活空間への工夫がなされ、同時に人々の「格差」が生まれるまでを解明する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
58
面白い。淡々とした描写だが発掘している姿、当時の都市の様子、生活する人の様子などが目に浮かんでくる気がする。私情を排した冷静な描写だからだろう。欲を言えば著者の個人的な主観「ここが面白いんだよ~」をもっと読みたかった。2016/11/10
月をみるもの
18
戦乱でイラクを掘れなくなった考古学者たちはシリアを目指し、そこも安全ではなくなった今はクルドの支配地域に移っている、、、というのが2016年のあとがき。 クルディスタンも戦乱に巻き込まれたら、次はどこに行くのだろう。。人類史において、この地域で最初に始まった戦争は7000年経ってもなくならない。2019/11/05
小鈴
15
この魅惑的なタイトルから都市論を期待してしまい、やや肩透かしにあったが、西アジア(メソポタミア)の最古の都市(都市の誕生)から、各都市の成立、領域国家への統一の過程を考古学的データから押さえる地道な作業は大変貴重だ。同じ埋葬、鍵のない倉から、副葬品の格差や鍵のある倉へ。鍵のある倉ができたあたりから、よそ者との共存がはじまる。分業化、社会階層化、文字の発明、貨幣の成立など論ではなく事実として見る興味深さ。でも、やはりそこから都市論を展開してくれなきゃ考古学者以外に面白さが伝わらないと思うんです。ドンッ2016/04/20
スプリント
9
都市の起源を西アジアの考古学見地から論じた本です。 豊かさ、快適さへの欲求から集落の規模が拡大し、よそ者の流入や外敵からの防御の必要性などから徐々に都市が形どられていく過程が説明されています。2016/04/24
どら猫さとっち
5
この世界で、都市はどうやって作られたか。そしてそこで暮らす人たちに、どのようなメリット/デメリットを与えたのか。本書は最初の都市が作られた西アジアに焦点を当て、都市の誕生と変容を追っていく。読んでいくと、現代社会と共通しているところがあって、驚いた点もあった。古代の都市と現代の都市の共通点と異なる点、それに想いを馳せながら読みたい名著。2017/08/22
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