内容説明
「熱、つつ、つ」。偶然たどりついた店で出会った、いとしのお好み焼き。初恋の相手に連れて行かれた理想のおでん。彼女の食べる姿に惚れたきつねうどんにたこやき。妻が味を再現できないすきやき。そして離婚相手と一緒に味わうてっちり……。読むと幸せになれる、食と恋の短編集。笑って恋して腹がすく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
73
面白かったです。恋と食に満ちた短編集。食べ物と訳ありの男女という取り合わせが絶妙ですね。食べ物は全て大阪ならではのものなのでしょうか。あまり馴染んでないものばかりで食べたくなります。不倫や離婚がテーマであっても幸せな気分になる不思議な1冊でした。2018/06/21
ユメ
45
熱々の湯気を立てる食べ物、それを肩を並べて味わう男女の機微…柔らかな大阪弁で描かれる熱気と色気にくらくらする。各短編の語り手はいずれも男性。彼らはある欲求を抱えているー「味覚の一致する女と出会いたい」。家の女たちが自分の食に対する美学を解さないことが耐えきれないのだ。女の私から見ると、身勝手な奴、と思う。その一方で、とことん憎めない。理想の女を探す彼らのちょっと哀愁漂う姿には、愛嬌すら感じる。そして、何と言っても、登場する食べ物の描写が狂おしいほどに美味しそうだ。私史上最高に満腹になった小説かもしれない。2018/07/08
カブ
37
美味しいものにまつわる男女の八つのお話。読み終わるとお腹がすいちゃいます。暖かいもので身も心も温まる美味しいものが恋しくなる。小川糸さんの解説にもあるが、気心の知れた人と湯気の立つ美味しいものを一緒に食べるのはこの上ないシアワセ。食べ物は人と人の距離を親密に近づけてくれる。2016/02/08
Shoji
30
やっぱり大阪やわ。 大阪のおばちゃんとおっちゃんのアホな掛け合い漫才を聞きながら、大阪の味を堪能しました。 大阪弁もダシにとけこんで男と女の機微に、はんなり、まったりといい味が出てました。 ご馳走様でした。 2016/01/23
さよちゃん
28
大好きなお聖さんの本。沢山集めた本をそろそろ読み崩そうかと…。美味しそうな食べ物が出てくるけど、高級な物でなくて庶民的な食べ物ばかり関西のソウルフードだ。食べ物の好みが合う合わないで大袈裟に言えば人となりが分かりそう…少なくとも好みが合うだけでその場の雰囲気や味までも変わって来そうな気さえして来ます。関西弁で語られる男女のやり取りや駆け引きが絶妙で可愛らしい。やっぱり関西弁で語らしたらお聖さんが一番!とても面白かった。小川糸さんの解説で得した気分。糸さんもとても美味しそうな本が一杯あるもんね。2020/03/18
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