内容説明
三国志の英傑・曹操の公子曹植が13歳で出会った人は、兄の妻となる人だった。義姉への叶わぬ恋を詠んだ詩篇は都の文壇で噂となる。その妃の死後、兄である皇帝の非情な仕打ちに不遇の時を過ごしながらも詩作に打ちこみ変わらぬ想いを抱いた。秘めねばならぬ愛を貫いた詩人の生涯を清新に描く中国純愛ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BIN
6
曹植の義理の姉(兄曹丕の正妻である甄夫人)に対する恋を描いた作品。「洛神の賦」からよく噂される話ではあるが、純というか一途な恋というか見つめているだけで幸せとかかなり深い愛情を思わせる。天才児曹沖も登場しその可愛らしさは曹植系男子で登場する曹沖が思い浮かばせる。もっと詩が出てくるかと思いきやあんまり出てこなかった。2016/06/25
よたろー
2
三国志の登場人物である、曹操とその息子達が主な登場人物。そして、恋の相手である甄氏。三国志を知らない人でも恋愛小説として感じれるものになってる と思う(登場人物や時代背景は汲み取り辛くなるが)。 解説は三国志の大御所北方謙三。 三国志の恋愛面を掘り下げた小説や読み物は少ない。三国志が好きであれば、新たな側面を覗く意味で読んでみても面白いかも知れない。 そうでないひとは、三国志に触れるきっかけとして。2022/10/09
ミランダ
2
兄である曹丕の側室であるシンラクへ恋心を抱いてしまった曹植。父である曹操が好意を抱いているにも関わらず、真っ先に敵陣に乗り込み彼女を自分の嫁にした曹丕と、恋心を抱いてはいけない彼女へ対する想いを抑えようと悩み続けた曹植。後継者争いも父に溺愛され優位だったにも関わらず、無関心であった曹植だったため結局曹丕が後継者となった。地位も権力も女も欲望が強い奴の方が手に入れる事が出来るんだなーって思った。2012/08/25
みのむー
1
曹操の息子・曹植の、兄嫁・甄氏への恋心をつづった小説。 ひたすら恋慕する子建。軟弱イメージがちょっと過ぎるような。 曹昴とどこが似ていたのだろ?雰囲気だろうか。 曹操死後は駆け足描写な感。皇帝となった曹丕との描写が見たかった。 甄氏への恋は、陳舜臣氏『曹操残夢』でもあった設定ですが、元ネタがあるっぽいですね。奥が深い三国志2020/06/18
ムノウたん
1
再読。甄洛の設定は同作者の公子風狂の方が好きです。 13歳で兄と義姉の夫婦の営みを聞いていたってだいぶクレイジーボーイだな曹植よ。 曹植と甄洛の最後のやり取り、あれは甄洛の本音だったのだろうか?2017/05/13