講談社文庫<br> 渡邉恒雄 メディアと権力

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講談社文庫
渡邉恒雄 メディアと権力

  • 著者名:魚住昭【著】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 講談社(2016/04発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062738118

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内容説明

人よんでナベツネ。いったいどんな男だ?  「1千万部」の力を背景に首相をも動かし、世論を操ろうとする読売王国の総帥、渡邉恒雄。屈折した少年期、主体性論をひっさげた東大共産党時代、そして粛清を重ねて新聞社社長の座に登りつめるまで。稀代のマキャベリストのすべてを白日の下に曝す決定版評伝の文庫化に際し、玉木正之氏との白熱対談を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

39
ハードカバーで読んだのは、もう15年近く前。ここまで後味の悪い評伝は後にも先にも読んだことがありません。「俺は社長になる。そのためには才能のある奴なんか邪魔だ。何でも俺の言うことに忠実に従う奴だけが優秀な社員だ」マスコミ界のドン、ナベツネの権力に対する異常なまでの執着は何度読んでも小説の世界です。共産党からの転向、政治家と一蓮托生の政治記者時代‥。読売グループを牛耳り始めたのは1980年代と言いますから、もう30年超も「王座」に君臨しているわけですな(50年続いている「笑点」でも司会は変わってるのに笑)。2016/12/08

澤水月

24
ガセ訃報受け。冷酷なマキャベリストと人たらしの両面あるが鋭い筆力とフットワークは衆人一致評価。あとは評伝筆者により「タメにする」文となる底知れぬ怪物。本書では社長になるまでで巨人・原発への影響はそんなにまだない(逆に社長前に知名度あったんだなあ)。戦時下の高校で反戦・軍思い募り共産党の東大細胞として辣腕。が下級生に謀られ追放、離党…が皮肉にも少数エリートが陰謀で多数を操る黒幕の力学に魅せられる。転向してるのに中央公論を思想で落とされ読売に。後に倒産危機の中公を傘下化はこの時の複雑な感慨から?(コメ続2018/12/18

スプリント

15
権力闘争が彼のデフォルトスキルでることがわかります。 読売新聞社時代のことは色々な書籍で読みましたが、東大細胞時代についてはよく知らなかったので読み応えがありました。正力・務台・ナベツネと一代の傑物がすべて老害になっていくのは権力の副作用なのでしょう。2020/03/21

OjohmbonX

12
自分で作ったわけじゃない大きな組織(読売新聞社)を後から入って完全にハッキングする具体的な事例・経緯だった。「記者のあるべき姿」「報道機関の意義」といった大きな視点での本来の目的をばっさり切り捨てる、普通は嫌悪感でできないそれを徹底的にやるところに成立するので、当然組織は腐っていく。学生時代はむしろヒューマニズムに傾斜していて、挫折して「理想を実現するには力がいる」と権力奪取を正当化していつのまにか手段が目的にすり変わっていく。組織がそうした人物のハックにさらされると防ぐのがすごく難しいんだなと思う。2019/07/08

モリータ

10
◆原著2000年、文庫2003年刊。来歴と権力掌握の過程。政治への介入を躊躇せず、権力の重点を見誤らずに尽くすべきには尽くし、蹴落とすべきな容赦なく蹴落とし、というのが上手いのはわかった。が、「権力」そのもの以外に、その源泉となる実力があったのかどうか、よくわからなかった。頭の良さや仲介能力がそれ、と言われても、いやそれで何を為したの?という。とにかく金持ってた、と言われた方がまだ納得できる。◆死んだ時にいろいろ出るだろう記事や暴露本の言説を正しく読むために参照できるよう。本人のオーラルヒストリーも近く。2021/03/03

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