内容説明
明治5年に焼失した日本初の西洋式ホテル「築地ホテル」。その焼け跡から宿泊客の刺殺体が発見された。謎を追うのは、クリミア戦争、アロー号事件など、歴史的報道写真を多数残した英国人写真家、フェリックス・ベアト。日本人助手とともに捜査を始めた彼は、二重三重に張られた罠の先に、驚愕の真相を見た!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bibi
34
明治5年、イギリス人の写真家フェリックス・ベアトが主人公で探偵役のポジション。不可解なイギリス人殺人事件の謎に迫っていく。歴史に疎い私には苦手な時代背景だったけど、なんとなくうやむやな第一部から、第二部では目が離せない展開になってきて楽しめた。2021/09/17
waqwaq
21
明治5年に焼失した築地ホテル、そこで発見された刺殺体の謎を追う英国人写真家が主人公のミステリー。「二重三重に張られた罠の先に驚愕の真相を見た」とのあらすじに惹かれ読みました。事件の真相になかなか辿り着けないもどかしさを感じつつそれがミステリーの楽しさでもあるかなと思います。しかし、それ以上に面白く感じたのはこの作品が明治という変革期であり、それを異国人の目線から描いているという点です。江戸、明治と時代が変わる中で取捨選択された価値観、武士という存在について考えさせられる内容でした。2014/09/22
リキヨシオ
18
明治5年に焼失した日本初の西洋式ホテル「築地ホテル」西洋人からは、「エドホテル」と称される。焼失したホテルの1室から刃物で刺された死体が見つかる。イギリス人写真家ベアドはホテル焼失と死体事件の真相を追い始める。犯人捜しも面白いですが、日本歴史上もっとも時代に変革をもたらした明治初期を舞台で、イギリス人が主人公なのがとても興味深い。江戸時代から明治時代に一気に時代が変わり、西洋やアメリカなど様々な国の人間が、変革の日本に商売を求めてやってきた。欧米の波が押し寄せる中…よく植民地化されなかったな…と思った。2014/10/22
Shigeru Aoshima
10
あの築地ホテルが舞台ということで読み始めましたが、最初の数ページで焼失してしまったことが残念。江戸川乱歩賞受賞の作家らしい乱歩に似たトーンを感じます。アガサクリスティに代表されるような一昔前の本格推理小説の味わいを楽しむことができました。 明治維新という日本のパラダイムシフトに臨んだ元武士、為政者、官僚、一般庶民の捉え方や生活など、学校の授業ではあまり取り上げらない事柄だけに興味深く読めました。2014/10/15
きくち
10
文庫待ちしてた甲斐があった。最初は「東亰異聞オチだったらどうしよう(笑)」とか思っていたが、ベアト氏と共にまんまとミスリードにはまり、エピローグではじんわり寂寥感を覚える。昔、明治大正期の擬洋風建築について調べたときに写真?だけ見た築地ホテルが舞台であり、また廃仏毀釈や万国博覧会など、個人的にうずっとくるワードが多く、本筋以外でも楽しめた。因みに警部さんが「藤田」だったのにもいらんミスリードをされました。だって、五郎さんかと思うじゃないか。2014/09/11
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