内容説明
中国史上、一番の名君は誰か。歴代皇帝の総数は少なくとも二百を超えるが名君と呼ばれる皇帝はわずかだ。しかし名君とは何か、その答えは簡単ではない。王朝の創業者か、領土を拡げた征服者か、善政を布いた為政者か。あるいは上司にするなら誰がいいか、という身近な基準もありだ。様々な角度から探った素顔の皇帝伝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
39
秦の統一以降の皇帝28人を紹介した一冊。皆さま小説になりそうなエピソードをお持ちだった(というか実際に多くがなってる)。これまでは春秋戦国時代を中心に読んでいたので真っ新な状態で楽しめた。一番の驚きは中国にもマリーアントワネットがいたこと!飢饉の時に「穀物がなければ、肉入り粥を食えばいいのに」と宣わった西晋の皇帝・司馬衷(恵帝)。皇帝がそれを言っちゃダメでしょ(恵帝はこのエピソードだけ紹介されていた)。小説なんかで追いかけたい皇帝は始皇帝、康熙帝、光武帝、玄宗、苻堅…挙げればキリがない。2020/10/17
アイゼナハ@灯れ松明の火
24
秦以降の中国歴代の皇帝たちから28名をピックアップ。『創業の英雄』『血塗られた玉座』『見果てぬ夢』『天涯をめざして』『愛すべき皇帝たち』のカテゴリ分けも面白いと思いましたが、各時代からバランスよく選んであるもんだと感心しました。『血塗られた玉座』に唐代の明君2名を登場させちゃうところ等、一筋縄ではいきませんが(笑)英傑が皇帝を兼ねる分裂期の辺りにはまだまだ面白い物語が隠されていそうだなぁ。ぜひ小説化していただきたいものです。2012/08/18
シシン
5
以前田中芳樹さんが中国武将列伝という書籍があったのですが、それの皇帝篇みたいな感じでした。わかりやすくまとめているので、非常によみやかったです。 自分としては紫栄の記述が興味深かったですね。 ただ名君といっても当然ですが一言では表せない。どれだけ時代にあった政策できるのかその人柄一つでも興味をそそられます。2012/09/22
ぽっぽママ
4
ドラマを見たり、小説を読んだ後に拾い読みして、「ああ、そうか」と思う。なかなか人の名前が覚えられないし、時代の流れも把握できない。聞き覚えのある名前のところばかり何度も読み直してしまう。それが増えていけばいいかなと思う。2014/09/25
しょー
4
三國志以外にも中国史は見応えがある。この本は、そう訴える。本書によって、煬帝と則天武后のイメージが好転した。一側面からではなく、多面的に一皇帝を知る機会を獲得した。歴史の勉強をする人、中国史を入門したい人におすすめだ。2013/05/08