集英社文庫<br> 西方冗土 カンサイ帝国の栄光と衰退

個数:1
紙書籍版価格
¥366
  • 電子書籍
  • Reader

集英社文庫
西方冗土 カンサイ帝国の栄光と衰退

  • 著者名:中島らも【著】
  • 価格 ¥495(本体¥450)
  • 集英社(2016/04発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087481815

ファイル: /

内容説明

「ヤクザ、アキンド、ヨシモト」マスコミに描かれる関西人は三つの人種のみで、かれらは「けつねうどん」と「たこやき」を主食にしており「わやでんがな」などの、奇妙な言葉を操りつつ「がめつい奴」を演じている――という、恐るべきカンサイ人の朝昼夜。街角の看板、張り紙。試験に出る関西弁を縦横無尽、奇想天外に考察し、関西人にエールを贈り、ヨタを飛ばすエッセイ集。浪速はこれ一冊でわかります。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

79
関西人の中島らも氏によるカンサイ人の考察。笑うカンサイ人、考えるカンサイ人、歩くカンサイ人に分けて書かれている。関西賛美の本かと思いきや実はそうではない。関西人の屈折した自意識をはじめ、カンサイ人でなければわからないカンサイ人の嫌なところなどにも触れている。面白かったのはコピーライターでもある著者が紹介しているカンサイのコピーや看板のこと。関東人が読んで関西人が読んでどう感じるのだろう。1991年に発行の本。2017/07/04

ほのぼの

49
タイトルは言うまでもなく「西方浄土」をモジッてある。関西に生まれ育ち【関西で煮しめたような、根っからの関西人】である中島らも氏が【最後の「カンサイモノ」総まとめ】と題うった関西(主に大阪)にまつわるエッセイ集。ゲラゲラ大笑いしながら読んだ。約35年前に執筆されたエッセイなので現代の大阪とは風景がかなり異なるが、関西人の質(DNA)はきっと今も変わらずに受け継がれている、と思う。【試験に出る関西弁】(出ませんよ!)は関西人ですら勉強になる。一読の価値あり!(笑)2025/04/29

よこたん

44
“たいていは炊き込みご飯とかおむすびとかにうどんがセットされたもので、この定食の組成を考えるとほぼ九十九パーセントはデンプンではないかと思う。” うどん定食の組成て。チャーハンをおかずに白ご飯は笑う。関西にどっぷり浸かって生きている身としては、懐かしさがいっぱい。深夜のテレビで飄々と喋るらもさんを見たのは、もうずいぶん昔のことなのだなあ。「大スポの広告欄」で爆笑し、「十年目の約束」で不意打ちの涙が溢れた。中心にいるようで、実はどこかから静かに俯瞰しているようなエッセイだった。カネテツの蒲鉾、食べたい。2018/09/26

Emi

31
関西、中でも大阪人の大阪愛は偏愛と言ってもいい。東京でも頑なに関西弁を(下手すると大阪にいる時より声高に)喋ってしまうのはコンプレックスの裏返しの「意地」だ、というのはなるほどだった。35年くらい前なので懐かしの大阪感もあって楽しかった。昔ながらの大阪弁はもう聞くこともないなぁ。謎の喫茶店、たしかに昔はそこここにあったけど今はどうなんだろう。街は変わっても雑駁でお節介で図々しくて、そんな振る舞いも大阪では許されるとお互いにわかってる。そんな大阪やっぱり好きだ。2025/07/05

黒猫

27
中島らもさんの大阪に対する思いを語ったエッセイ。面白い。らもさんは兵庫県に生まれたから大阪の神戸の違いについて比較し、大阪は一地方都市なのに東京と張り合っていることがアホやと言っている。これは大阪に対するらもさんの偏屈した愛情かな。でなければこんな面白い作品を書ける訳がない。うどんをおかずにライスを食べる関西人。訳のわからない看板、喫茶店。らもさんは大阪が好きだったのだ。そして生まれた街も。最後の担任の先生の話にホロリとした。10年後に保倉山で皆で会うという約束を一人守った同級生、好い人だなあ。2018/03/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/456733
  • ご注意事項

最近チェックした商品