内容説明
瀬戸内海の小島をレジャーランドにするためにヘリを飛ばし下見に来た男二人は、セラピー施設に治療のためと称して入院し一週間を過ごすことになった。しかしすでにそこには女二人、男一人の患者――クライアントがいた。五人は投薬と催眠術を使った治療で、こども時代へと意識は遡る。三分の二は笑いに溢れ、最後の三分の一は恐怖に引きつる。鬼才・中島らもが残した超B級ホラー小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょこまーぶる
88
けっしてホラー好きではないんですが、とても面白く読めた一冊でした。前半はとある精神療法で子どもに帰ってしまった大人達の大人と子どものミックスされた感情や思考が面白くて楽しく読めたんですが、後半は一変して残忍な殺戮シーンにページのめくりが急に早くなりましたね。元々、舞台の台本のために書かれて、それを小説として加筆したようですが、この作品は映像化しても面白いかもしれないなぁ~何て思いながら読んでいましたね。しかも、この作品を書いている最中にも作家さんは薬で捕まっているんですよね。その影響が文章にでているのか?2018/01/26
H!deking
64
本人もあとがきに書いてるように、B級ホラーです(笑)離れ小島にある精神科病院に入院した5人の男女が、薬と催眠療法で10歳のこどもになり、的なお話。前半はなかなか話が進まないでちょっとくどいと感じるとこもあるけど、最後はめっちゃ面白かった!さすがらもさん!って感じです(笑)21冊目2018/02/15
aqua_33
59
無人島にあるクリニックにやってきた男女5人。薬と催眠療法で精神的に10歳まで戻った彼らを治療していく。前半は和気藹々な子どもたちのやり取り、後半はガラッとカラーが変わってサイコな世界。何だかよく分からないんだけど、一気読みしてしまった(笑)中島らもさんと言えば、正直「奇人」というイメージがある。ので、このお話も何となく納得。これ、元々は舞台用に書かれたものらしいけど、こんな話舞台で見たらトラウマになりそう。取り合えず「よろしいですかぁ!」の文言はしばらく聞きたくない。《2018年83冊目》2018/04/23
青乃108号
48
何の構想もなくいきなり即興で書きなぐったような本だな。が第一印象。100ページ辺りまではそれなりに興味を引いて来るがそのあとがアカン。ダラダラ延々続く子供の会話。読んでいると段々と自分が馬鹿になりそうな気がしてくる。ああ、このまま俺は馬鹿になってしまうのかと恐怖した。すると突然、不死身の乱入者の登場であまりに唐突にスプラッターホラーがはじまる!この辺り、即興でコメディを書き始めたもののノリで書いてるうちにハタと執筆に行き詰まりそうじゃそうじゃこっからはホラーじゃひひひひひひてな状況だったと俺は推測した。2021/08/23
hope
39
★★★★ 笑えて怖いシュールな小説。無人島のクリニックに来た5人の患者たち。彼らの意識を10歳に戻して治療する中、台風が近づき・・・。子供たちの残酷さや集団心理の暴走の話と思いきや、予想の斜め上を行く展開。オヤジギャグと下ネタとホラーとちょっぴりの愛。作者本人がB級ホラーと言ってるし、読んでも何の役にも立ちません。でもそれがいい。2016/12/21