内容説明
支え合うように快楽でむすぶ、知的障害の兄との関係。「テレファックス」と呼び合う売春。
精子ドナーによる自己の出生の秘密。やがて、兄の子を身ごもってしまう――。
さまよい、新しい現実感で生き抜く十七歳の女子高生〈アミ〉。
朝日新聞を始め多くの紙誌で絶賛された、危険な生の輝きを伝える桜井亜美の鮮烈なデビュー小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maimai
36
売春、近親相姦と重いテーマを扱った小説です。主人公のアミは「テレファック」と呼ばれる売春をしてお金を稼ぐ女子高生、軽度の知的障害を持つ兄と頻繁にsexをして彼の子を身ごもってしまいます...心に闇を抱えて売春に走ってしまう少女の実態を小説では綴っています。その多くは暴行や強姦にあい自分を大切に思っていない人が多いみたいです。傷つき迷いながらも生きる意味を求めるアミの姿に感動します。2016/06/25
まさきち
24
再読。前回よりも印象的にはよくなったものの、いまだ理解できない部分が多くて悩みつつ読了。やっぱり年代のせいなのかな~2012/12/19
(*>∀<)ノ))★
20
桜井さん初読み(๑′ᴗ‵๑)女子高生の二つ上の兄は知的障害。売春や近親相姦。とてもインパクトのある内容!2016/04/15
青葉麒麟
16
衝撃的な内容だけど、ふんわりした感じがしてちょっと不思議。2011/09/19
ユーカ
13
桜井亜美のデビュー作。初読み、一気読み。この小説が世に出た96年、私は主人公のひとつ年上、18歳だった。小説のようにスリリングな生活ではなかったし、家族もまぁ普通だったが、アミの持つ海底に向かって揺らぎながら沈んでいくような感覚は、私も持っていた。クライムなイベントてんこ盛りなのに、青白い光のなかで淡々と話が進んでいくような感じを受けるのは、アミが極端に冷静だからだ。そして、そんな自分の心を奇形だと思っているからだ。アミや私と同世代の女は、自分を商品として見る傾向が強いのか? 体でも、頭脳でも、能力でも。2014/11/01