朝日新書<br> エロスと「わいせつ」のあいだ 表現と規制の戦後攻防史

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朝日新書
エロスと「わいせつ」のあいだ 表現と規制の戦後攻防史

  • ISBN:9784022736512

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内容説明

日本初の本格的な展覧会開催など「春画」がブーム。しかし春画掲載の週刊誌は警視庁から厳重な「指導」を受けた。エロスとワイセツの線引きはどこなのか? 「チャタレイ」から「ろくでなし子」まで、数多くの具体例で「いやらしさ」の本質に迫る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふろんた

15
例え同じものであっても、どこで見せるかによって芸術かわいせつかの解釈が異なる。事例によって線引きするのではなく、個別に判断する必要がある。2016/03/24

活字スキー

15
期待してたのとちょっと違ったかな。法廷という厳粛な場でしかめ面して「これは猥褻か否か」とか論じても、どうしたって滑稽なものにならざるを得ない。性的な刺激を好むのは生き物として健全かつ当然じゃないか。本来なら「必要充分な社会的配慮さえあれば、あとは好きな人が好きに楽しめば?」で済む話を、下手に権力が介入しようとするもんだから「モロ出しじゃなかったらイイんだろ?」とばかりにこじらせまくるHENTAIがエスカレートしちゃうんじゃないか。それとも、良心的繁殖拒否により人類は滅びるべきだとでも?馬鹿馬鹿しい!2016/02/25

たこやき

11
タイトルに「戦後攻防史」とあるものの、歴史的な事例と言うよりも、近年の数件の事例と、過去の数件の事例を描いた、という構成。ただ、その中の個々の事例についての情報は上手く纏まっていると思う。書内でも何度も繰り返されているように「わいせつ」かどうかの判断は曖昧。そして、それを判断するのは、裁判官の感情。さらにいうなら、そこに達するまで、取締りをするのは警察の恣意的判断。本来、そういう組織ではないのに、文化の評価組織になっている裁判所、警察。そんな状況が綴られている。2016/03/21

まあい

2
猥褻規制の意味や意義がまったく分からなかったので、勉強のために読了。代表的な判例がしっかり解説されており、 「相対的猥褻概念」の問題や、現在の猥褻規制の運用のされ方、さらにネット時代特有の問題などがしっかりまとまっている。法学素人にも読みやすく、性について考える人なら、他分野であっても一度は目を通しておくべき一冊。2018/02/23

lily

1
「わいせつ」とは何か、というのは名誉毀損の「名誉」とは何かと同様、古くて新しい議論である。今では生殖器が見えないことが基準になっているが、これは国家権力が判断しやすいということに他ならない。しかしこれがアダルトビデオの百花繚乱を招いている現実がある。総じて大切なのは、あらゆる表現には快不快が必ずあるということ。極論だが、「今日は良い天気」というのも豪雪地帯の人が見れば不快かもしれない。人の感情は様々であるという前提で議論する必要があろう。これが難しいのだが。。2017/08/11

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