内容説明
1980年以降、中国経済は毎年平均9%の高率で成長した。しかも1989年から2006年まで、中国の軍事予算は、毎年13~16%の高スピードで増加している。中国政府はいったい何を目的として、このような大軍拡政策を実行しているのだろうか。東アジア地域の地政学的な安定を維持するためには、日米同盟を維持することが不可欠である。しかし、「アメリカ政府は2020年以降、中国の軍事的脅威から日本を守ることはないだろう」と予測する点において、本書は、今後も日本が米国依存体制を続けられると期待している「親米保守」グループとは明確に立場を異にする。また本書は、21世紀の日本が独立国としての地位を維持するためには自主的な核抑止力の構築が必要であることをはっきりと指摘しているので、反核感情の強い「反米リベラル」の人たちとも外交視点が異なる。日・米・中の政治指導者、知識人が、日本国民に読ませたくない「禁断の書」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カブトムシ
9
21世紀の日本は、自主防衛政策と日米同盟維持政策を両立させる戦略的必要があることを説明している。大部分の官僚と政治学者は、核戦略の議論から逃げてしまう。本書は、中国の覇権主義の危険性を説明し、日本には自主的な核抑止力が必要であることを指摘する。つまり、「日本の核武装」という、戦後の日本社会でタブーになってきた問題を真正面から議論する書物である。トランプ政権下の日本の在り方を考える上で貴重な本書を、特に若い人達に推薦したい。10年程前に出版された本であるが、しかし、今でこそ読まれると良いと思われる本である。2025/02/19
mochizo
3
実は再読のこの本、今読んでますます現実に中国の脅威を感じることになりましたね。2020年前後に台湾を併合する中国の目標、これも何か現実めいていますしね。この本の冒頭にある「リアリスト・パラダイム」と「ウィルソニアン・パラダイム」という考え方を理解することが外交の基本になるでしょうね。結局外交は「現実主義」でなければならないという事実を感じますね。2016/04/30
Atsushi Hanafusa
1
核を持たない日本の残酷な運命。2017/10/05
Takuhei Kajisha
1
よく引用されるような本なので読んでみたらこれはエビデンスがいっぱいで社会的意義の高い本です。ジャケットでかなり損してますね。右翼コーナーに置いてある書店もありました笑2016/10/18
MORITA
1
米中関係がもっとも危険な状態になるという2020~2030年頃まで5年を切った。リーマンショック等により中国経済の成長スピードは本書の予測より下回ってはいるのだろうが"その時"を迎えた時に日本に選択肢は残されているのだろうか。2016/06/25
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