「理」と「情」の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス

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「理」と「情」の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス

  • 著者名:磯山友幸【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 日経BP(2016/03発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784822235659

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内容説明

本書は、2015年に世間を賑わせた「大塚家具騒動」の顛末記である。父である大塚勝久会長と娘の久美子社長が経営権を巡り株主総会で争った様は、テレビのワイドショーの格好のネタになり、お茶の間の話題をさらった。
 「理」で推した久美子社長と、「情」に訴えた勝久会長の戦いはなぜ起きたのか。本当に得をしたのは誰か。創業者が立ち上げた「家業」を、社会全体のものである「公器」に変えようとした久美子社長の思いとは何だったのか。騒動をつぶさに観察してきたジャーナリストが、徹底取材と単独インタビューで、久美子社長の胸の内に迫る。
 大塚家具を巡る家族間の対立は、どこの家庭でも、そして、どこの家族経営の企業でも、普通に起きることだろう。だからこそ、あれだけ世の中の関心を集めたに違いない。逆に言えば、この騒動から学ぶことがたくさんあるのだ。本書では、「大塚家具騒動」の一部始終を振り返りながら、同族経営の限界と、ガバナンス面での課題を真正面から考える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スパシーバ@日日是決戦

78
{2016年} 2015年2月、創業者の父・会長が開いた記者会見をきっかけに大塚家具の経営権を巡る争いが表面化。当初は単なる親子喧嘩と思われていたが、企業統治や法令遵守を訴える長女・社長と真っ向から対立。「情」をとるか「理」をとるか? 「お客さまを向いて仕事をしてほしい。今後、会社のために誠心誠意働いてくれるという気持ちがある人たちについて責任を問うようなことはしないつもりです」。その後、父は保有株式の3分の1を売却して20億を手にし、その資金を元手に新会社「匠大塚」(非公開企業)を創設。2016/10/13

黒猫

13
1年半にワイドショーを騒がした「大塚家具の父と長女」の骨肉の争いは、誰が得をして、結果どうなったのか?ふと、興味を覚え購入した。両者の言い分もわかる。一代で大塚家具を上場させたのは元の会長である。起業家としての意識が、代替わりの際に久美子社長と激しくぶつかったんだろう。久美子社長は、過渡期の大塚家具を今までの方法では無理だと判断し、極めて合理的な方法で会社を変革していった。久美子社長の会見は、理性が滲み出し私を納得させる言葉です。マスコミのずさんな質問にも丁寧に回答する久美子社長を応援します。面白かった!2016/10/29

C-biscuit

12
会社の本。この本は大塚家具の御家騒動を通じて、コートレートガバナンスを考える本となっており、アベノミクスや女性の活躍についてもうまく触れられている。冒頭の部分でこの問題で誰が一番得をしたのかというのがあった。御家騒動の中、配当を2倍や3倍にするとの各陣営の発表により株価は2倍にもなっていた。大株主でもある投資ファンドのブランディスがしっかりと高値で売っていたのが印象的であった。また、騒動で負けた元会長の勝久氏も20億円ほど株の売却益があったようである。会社は誰のものであるかを良く考えさせられる本である。2016/05/23

ちくわ

8
「騒動が決着すれば全てノーサイド、お客様を見て仕事をして下さい。」大塚家具の再建を祈ります。2016/04/05

highsax @ シンガポール

7
★★★★☆コーポレートガバナンスを学ぶために読んだ本。もう少し教科書的な背景も理解したかったなぁ。ちょうど、今年度の修正計画が発表されたナイスなタイミングで読めた。ワイドショー的なまとめ方ではないけど、事実に基づいて書かれており、とっつきやすい本。自分が大株主だったらどっちに入れるだろうか、ワンマン経営でも成果を出し続け、これからもオリジナリティを貫くお父さん?コーポレートガバナンスを理解し、時代にあった戦略を考える娘さん?そんなことを考えながら読むと面白い一冊。2016/08/07

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