角川ソフィア文庫<br> 「おじぎ」の日本文化

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角川ソフィア文庫
「おじぎ」の日本文化

  • 著者名:神崎宣武【著者】
  • 価格 ¥774(本体¥704)
  • KADOKAWA(2016/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784044000080

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内容説明

何気ない身振りやしぐさにも、文化に根差した意味があるはず。
外国人にとってはいまだにやはり奇妙な動作にみえるという「おじぎ」。この「おじぎ」はどんな文化の脈絡ではじまり、いつどんな変容をとげてきたのか。「三三九度」をはじめ、日本人のしぐさに根付いている習俗儀礼や日本文化について、民俗学的な解明を行ってきた著者による、目からウロコの「おじぎ」文化発見。
たとえば、時代劇の大名行列では「下に、下に」の掛け声とともに庶民は道端に額をつけて土下座して控えるシーンがみられるが、このような伏す姿は実際にはありえず、片膝をつき頭を下げる片膝礼であった。こんな誤解はいったいどこから来たのか。
「型の日本文化」の代表例である、歌舞伎・相撲・柔道・茶道などで伝承される「おじぎ」の典型は座礼。この座礼の大元は真言密教の三礼(平伏・揖・釈)からきているとされ、神道儀礼の三礼(神前礼)も密教から派生したといわれ、のちの武家の礼法につながるが、では、いつ、どんな経緯でこのような礼法になったのか。
そのことを、古くは絵巻物や絵解きの絵画史料、近世では幕府の公的な礼法の記録、近代ではモース、シーボルトの記録や修身・しつけなどの学校教育、軍隊の礼法などから解明。そのなかから、「おじぎ」は人間関係という制度系だけではなく、じつは着物や建物などの装置系、とりわけ畳の普及とのかかわりがターニングポイントであったと解く。
たんなる挨拶や会釈ばかりではなく、「おじぎ」に込められた、日本文化との深い関係を鮮やかに読み解く。

●本書は今は亡き司馬遼太郎が、著者に執筆のテーマとして「おじぎ」を書くことを強くすすめたことが端緒になっている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こぽぞう☆

19
現在行われている「おじぎ」は案外新しいカタチ?大名行列の脇で庶民が頭をさげるときは、ウンチングスタイルだったとか、古来神仏の前で祈るときの姿勢は膝をついて爪先立ちだったとか、面白いお話がたくさん。ただ、誤字が多く、図で示したものを本文に入れる際の手際が悪かったりで、ちょっと読みにくいかも。2016/06/10

RYU

1
民俗学者による、「おじぎ」の歴史。江戸時代には、朝廷や将軍向けの作法指南として高家が存在し、一般武士向けには小笠原家や伊勢家などの礼法が教えられた。庶民向けに浸透するのは明治時代以降。各地にあった自然流の「おじぎ」が、神社祭式の統一や修身教育などによって統一されていく。2016/08/12

Masako3

1
★☆☆ 大名行列に平民が道端で正座している映像はよく見るが、時代考証的には正しくない。いわゆる正座は、畳が日常で使われる江戸時代の武家社会からとかなり新しい。2016/05/23

matypoyo

0
おじぎっておくが深い。歴史が長いような気が勝手にしていましたが、庶民に広まるのは明治時代以降。たかが150年の歴史で日本人の所作と思われるまでになったというのを考えると、教育というものの影響力の強さを考えずにはいられません。それにしても、明治時代の中央集権化というのは、いい意味でも悪い意味でも日本という国家に大きな影響を与えているのだなと思わずにはいられない。2017/07/09

Osanori Tobita

0
この本のテーマ、ミシェル・フーコーっぱりの手法で、さらに追求して欲しいな。2016/09/03

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