内容説明
冴えない大学生の南里遼太郎は、合コンで出会った夕紀の眩しいまでの美貌が忘れられなかった。彼女の歓心を買うために吐いた、たったひとつの、しかし大きな嘘。それが彼の運命をねじまげてゆく。夕紀を手放したくない一心で嘘を塗り重ね、殺人まで犯してしまうのだが……。虚飾の幸せの果て、愚かな男を待つ凄まじいまでの悲劇とは? 戦慄のクライムサスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mr.lupin
65
これは大石さんの作品の中でもかなりの傑作だった。まるで冴えない主人公の遼太郎が、合コンで知り合った美貌の持ち主の夕紀を振り向かせる為についた嘘。その嘘を突き通す為に殺人まで犯してしまう。いつこの嘘がばれるのかドキドキしながら読み進めた。嘘の結末、少し儚さが残った感じかな。戦慄のクライムサスペンス堪能することができた。 ☆☆☆☆☆2019/09/26
そのぼん
29
自分が好意を抱いている女性を振り向かせるため咄嗟に嘘をついた男。やがて彼女と交際し、結婚してからも嘘に嘘を重ねていき・・・。主人公の男があまりにも愚かで身勝手で、呆れ返りながら読んでいました。主人公のエゴに巻き込まれた人たちはたまったもんじゃないですよね。最初から最後まで一欠片も共感出来ない主人公でした。2017/05/29
竹園和明
28
一目惚れした女を手に入れるために嘘に嘘を重ね、殺人まで起こして堕ちて行く男。前半はあらすじを読んでいるような雑な感じでしたが、中盤からその堕ちて行く様子が加速度を増し、結構ドキドキしながら読みました。ただ後半、覆面作家・野々村ケンが長年表舞台に出て来なかった理由が明かされますが、最後に強引に押し込んだ感じ。これはあまり時間をかけて書かれた作品ではないのかも。しかし娯楽として楽しめる小気味よい作品でした。2016/07/19
とも
27
無事読み終える事ができてホッとした。嫌な小説を書くなぁ、大石さん。主人公がクズ。非常に残念な男。自身を偽らなければ女性とも話せない、交際できないクズ。自分の力で道を拓けないクズ。人を騙す事でしか活路を見出せないクズ。欲望だけには忠実なクズ。騙される側の女性も残念な女性やけど、これは完全にだます男の方が悪い。 読んでてイライラ、イライラ(笑) まぁ大石さんの狙い通りなんやろうなぁと。 分かっちゃいるけど、まんまと嵌められながら読んじゃいました。 なんかいつまでも記憶に残る一冊になりそう。2025/01/15
おいしゃん
27
嘘を塗り重ねるうちに身動きが取れなくなる、という寓話の極みのような本なのだが、他の感想にもあるように、なぜか目が離せず読んでしまう。この本に全てのツッコミは野暮と思いつつ、何人死んでも全く本気で動いていない警察や、うまくいきすぎな主人公にはイライラ…。2021/08/12
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