日本経済新聞出版<br> Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学

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日本経済新聞出版
Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学

  • ISBN:9784532356880

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内容説明

愛、臓器、人気企業への就職、有名大学への進学・・・世の中には「お金」では買えないものがある。互いが互いを選ぶ「組み合わせ」が必要だ。最適・効率的な「組み合わせ」はどうすれば実現できるか。マッチメイキングとマーケットデザイン研究で世界をリードするノーベル経済学賞受賞者が、従来の経済学が扱わなかった新領域を分かりやすく解説します。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

5 よういち

97
結婚相手を自分の好き勝手に選べないのと同様、自分が相手を選ぶだけでなく、自分も相手に選ばれないといけない。こういう関係を経済学では「マッチング」と呼ぶらしい。すなわち、「需要」と「供給」の適切な関係のことであり、お金だけでそれが成り立たないとき、市場では必ずマッチングが行われる。スピードを重視したマッチングが重要になるが、スマホが普及したことが、これを下支えする。◆価値があるのに埋もれてしまっている資源を探し当てて、譲り渡す橋渡しができれば商売になる。そのためには市場の厚み(売り手と書い手の数)が必要。2020/02/03

Miyoshi Hirotaka

38
それをお金で買えますか?市場は公共善を実現するための最善の手段ではない。愛、臓器、人気企業への就職など互いに選び合う仕組みでしか実現できないものがある。需要と供給だけで全てが説明されるほど世界は単純ではないからだ。アダム・スミスは市場の動きを「神の手」に例えた。マーケットデザインは価格で価値を表わすことが難しいものに「神の手」を設計する作業だ。これにより、従来の経済学の対象にならない社会問題にも切り込んで行ける。それに必要なのは数学から発展したマッチング理論だけではなく、鋭い人間観察の目もまた必要なのだ。2017/05/22

masabi

21
【要旨】経済学の一分野マッチングとマーケットデザインの入門書。【感想】就活、学校選び、恋愛、臓器提供と人生の様々なときに顔を出すマッチング。本書では機能不全に陥った制度を再設計してより望ましいものにする過程が描かれている。個人のモラルに訴えて自制を促すよりも制度を変えて全員が満足する結果に変えたほうがいいとのこと。2017/02/01

jackbdc

12
分かりやすい。社会選択理論について類書も何冊か読んでいるが全く違う。解決法(マッチメイキング)の前段となる問題(市場の失敗)を中心に記述していること。巻末解説で称賛されていたが著者は人間観察力に優れている。ボクシング競技とルール創設の関係についての昔話とか、婚活とWEBのシグナリングの現代的な話とか。どこにどんな問題があるのかを実例を交えて具体的に描いて見せてくれるから、門外漢の私たちにとっても身近な問題として捉える事ができるのだと思った。印象に残ったのは領域の広さと深さ。解法より先ずは現状把握が肝要か。2022/05/22

R

12
神の見えざる手が働かないとき、最適な組合せは市場をデザインすることで手に入れよう、という経済学的なお話でした。経済学者の論文と実社会へのフィードバック経験をもとにした本だったのですが、理論の根幹は数学的解決が試みられていて、なかなか難しかった。かなりわかりやすく、平易に解説してくれているのが、今度は退屈を呼んでしまう印象。理論が実社会に影響を与えた顕著な例というところがミソだったと読めたのだけども、ゲーム理論が好きな人でないと、感動が薄いと思いました。2016/08/01

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