内容説明
「すべてはあの町から始まったのよね」母が最期に残した言葉の真意を知るため、独りになった少年は母の故郷を訪れる。手がかりは古いモノクロフィルムと未完の小説。町は徐々に陥没がすすみ、一部が大きな湖に飲み込まれていた。湖底に残された“思い出の品”を回収する男性・モグリに出会った少年は、しなやかに泳ぐ姿から“サカナ”と名付けられ、彼の仕事を手伝うことに。少年は母の想いと顔を知らない父の秘密に近付いていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
144
『活版印刷』シリーズのほしおさん作品です。今作はよりいっそうファンタジーな作風で、すらすらと読みやすかったです。おそらく対象がヤングアダルト向けなのか、悪い意味ではなく、それほど深い話ではなかったので、良かったかなと。ただ『活版印刷』シリーズ的なドラマを期待してしまうと、ちょっと肩透かしをくらうので、それはそれとして割りきって読んでもらったほうが良さそうです。町の1部が水没して、水の底に眠るあらゆるものを回収する主人公「サカナ」と呼ばれる少年の過去をめぐるちょっとしたSF要素ありのファンタジーでした。2018/01/28
ポチ
52
時が止まり人々の思い出がたくさん残っている湖の街。すぐ隣には沈まなかった街。そんな2つの街を繋ぐ未完の小説と都市伝説。ファンタジーでありミステリーでもある、楽しめた物語。湖の幻想的な世界を見たい。2018/05/03
nyanco
44
母が残したモノクロフィルムと雑誌に掲載された小説を手に、少年は母の故郷を訪れる。突然、陥没によりみずうみが出現した街。母の故郷の町と古い未完のSFにはいくつも共通点が見つかる…SFタッチな部分、いくつもの謎がほぐされていくミステリーな部分、作品の雰囲気がとても良かった。母が死に、これから先、自分が生きていく意味があるのか、自分に何の価値が有るのか…と感じていた少年・サカナ。ノゾミ伝説、額に十字の痣を持つ謎の男、みずうみで無許可でサルベージをするモグリ…続→2013/11/29
はな
36
図書館本。母親と死別した主人公が母親が持っていた雑誌に載っていた母の故郷で母のルーツ・面影をさがす。出会ったモグリの過去も気になりながらも、都市伝説だったり雑誌に載っている未完の小説の作家のことなんかも気になる感じでぐいぐいと読めました。ある日突然、湖となってしまった自分の家だったり思い出の土地に思いをはせながら夢を持つことについて書かれていて読後感もよかった。2016/06/04
たるき( ´ ▽ ` )ノ
34
Kindle Unlimitedにて。ゆらゆらと捉えどころのないような、不思議なファンタジー。いや、ミステリー?幻想的な雰囲気があり、夢の中にいるような気分になった。2025/01/16
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