内容説明
断崖絶壁に立った時の、血が引いていくような戦慄、季節はずれの別荘地の静寂につつまれた時の、本能的な怯え――。北は北海道の十勝岳、シラルトロ沼から、南は九州の平尾台、高千穂峡まで、日本全国18カ所の風景を〈主人公〉にした、ユニークな旅のミステリー。非情な大自然が人間の心に呼びおこす名状しがたい恐怖を、時刻表や心理のトリックを駆使して描き出す。泉鏡花文学賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
涼
33
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2020/04/post-a148af.html2020/04/18
メタボン
24
☆☆☆☆ 宮脇俊三らしい旅情あふれるミステリー短編集。雑誌に連載されたものだけあって、1話1話さくさくと読めるのもいい。タイトルも秀逸であり、確かに殺人事件に至りそうで至らないという、その絶妙な間に潜まれた人間の心理描写がうまい。小説家としては決してプロではないものの、鉄道トリックを交えながら、なかなか凝ったエンターテインメントに仕上げているなと感心した。泉鏡花文学賞を受賞しており、選考委員のセンスの良さにも感心。2019/05/02
浅香山三郎
9
河出文庫でも入手出来るやうになつたといふが、新潮文庫版で積読になつてゐたのを読む。鉄道紀行文学の名手たる著者が、鉄道と風景を素材に描いた短編小説集。全国各地の風景(地理・気候・産業・土地柄)を知り抜ひてゐる著者らしく、樹海・岩場・断崖・砂丘・噴火口といふ舞台の選び方も絶妙である。殺意の示唆、未遂に終はるものも多く、それだけに、実行された犯罪は殺意の巨塊のほんの一端であることを感じさせる。2022/05/11
harukawani
5
めちゃくちゃ時間がかかってしまったけど、退屈だったわけではなく、良い短編ばかりが並ぶクライム・ストーリー集。正直、同じような作品が並ぶのでダレてしまった面はあるけど。日本全国、様々な風景に人々の様々な殺意を重ね合わせている。大掛かりなトリックはなく(時刻表トリックとかはある)、滋味深いストーリーとサスペンス、はっきりとさせない余韻のある締め方で読ませる。「豪雪地帯の巻」「古生層の巻」「砂丘の巻」あたりが好み。2024/02/27
アメヲトコ
5
久しぶりに通読。ミステリー短編集の装いながら、ここでの真の主人公は風景で、その圧倒的な存在が人をさまざまな衝動に駆り立てるさまが描かれます。大自然のみならず、コンビナートや廃駅などの風景にも着目しているあたり、36年前の作品ということを考えると先駆的。新潮文庫版の大岡昇平による解説もいい。2021/05/31
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