内容説明
数字が羅列してあるだけの無愛想な時刻表も、じっとながめていると、汽笛の音や線路の響きが聞えてくる。〈国鉄全線の完乗〉、〈最長片道切符の旅〉をなしとげ、無類の鉄道好きとして有名な著者が、バッグ片手にふらりとローカル線の旅に出た。――旅先で出会う珍しい風物、人情の機微、思わぬ新発見。四季折々に移りかわる旅の風情を、ユーモラスに爽やかに綴る、汽車の旅歳時記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Midori Matsuoka
14
旅をしている気分になりたくて、本を探していたところ宮脇俊三さんにたどり着いた。 作品は昭和54年刊行、とのことで国鉄時代という点で今とは違うし、時刻表や指定席券の扱いについても時代のズレがあるもののそれがまた楽しい。 宮脇さん、今でいう「乗り鉄」なんでしょう。「国鉄全線完乗」のためにひたすら電車に乗りに行く姿は飄々とした書き方とはうらはらにすごい情熱を感じた。 月ごとに語られているため、その時期特有の混雑具合とか乗客の様子とかの違いも読んでいて興味深かった。2025/10/24
ドナルド@灯れ松明の火
14
国鉄完乗後の、12か月のそれぞれに乗車した路線地域に関するエッセイ。相変わらず飄々とした書きっぷり。旅行中のエピソードも豊富で大いに楽しめるし行ってみたくなる。 お薦め2016/10/31
baboocon
11
超速読で読了。2017/04/14
Yuki Ban
9
冬になる時期に日本海側と太平洋側の境目を特急で通過するとその陰影をくっきりと感じられるとか、大声で通過する電車名を叫ぶおじさんとか、突然雪景色になる様を「らしくなってきましたな」とポツリ言う乗客だとか、おもろいエピソードや人がたくさんでてきた。日本の全線を律儀に乗ってきた筆者だからこそ書ける乗り鉄の最高峰を拝める。自分の書きたい欲を抑えた、控えめな文章でアカデミックな雰囲気を漂わせているのもおもしろい。2023/09/23
さっと
8
車窓から見た日本の四季折々の風景と世相は新鮮である。一般に梅雨でじめじめとして旅行などと言っていられない6月は、実は花の季節であって、気象の統計的にも案外、晴れている日もあって出かけないというのはもったいないという話は一例にすぎないけれど、国鉄全線完乗後、同じ線に乗っても季節によってまったく印象が異なる、という感覚を身をもって知っている著者のつづる歳時記は、時刻表の愛読者、いち鉄道旅行者という限定的なフィルターを通しているからこそ見えてくる視点があっておもしろい。2015/07/12
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