内容説明
すべては東海村からはじまった――。
日本初の原発は、なぜこの地に導入されたのか。
初めて「原子の火」が灯った東海村の歴史と現在の姿を描くとともに、石橋湛山、岸信介、河野一郎、鳩山一郎ら55年体制下の中央政界重鎮の動きも視野に、原子力開発をめぐる財界の思惑、報道の検証などもまじえ、日本の原子力政策の原点を探る。
生存者による証言や「原子力の父」正力松太郎の腹心筋より入手した新資料などから検証。
朝日新聞茨城版2012年1月~13年6月の長期連載「原子のムラ」に大幅書き下ろしを加えての書籍化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
19
朝日新聞茨城版の長期連載をまとめた東海村の原発歴史絵巻。誘致に至るまでの前半部分が白眉。原子力のドン・正力や中曽根たちの暗躍ぶりがここでも目立ちます。茨城の貧村が時代の流れに翻弄されつつも、結局は原発を選んだ。選らばざるを得なかった。フクシマを始め、どの原発も同じような構図なんでしょうね。2015/07/21
belier
3
NHK ETV特集取材班の『原子力政策研究会100時間の極秘音源: メルトダウンへの道』と被る部分もあるが、こちらのほうが生々しい話が多い。それから朝日新聞も原発推進であったのを知った。朝日は戦争に引き続き原発でも誤ったと、この本が出たときは認識していたようだ。また原子力開発に反対ではないが進め方に慎重だった学術会議と、早急に推進したい政府の対立が印象的だった。安全審査の際など、ある委員は審査の不誠実さを嘆いていたという。科学者の良心に従う学術会議は政府にとって煙たい存在だった。今もそうなのだろう。2025/05/02
ゆきまさくん
0
朝日新聞取材班による一冊。 日本初の原発はなぜ東海村に建てられ、ここが拠点となったのか。 生存者のヒアリングや資料を元に解き明かしたもの。 今日の原子力問題を把握するには、単純に賛成、反対を言う前に、まずそれを経緯を含めて理解することが必要。 私の考えとは相容れない部分もあるが、かねてから読みたかった一冊。 個人的には興味深いものだった2017/05/01
チャーリイ
0
日本の原子力発電黎明期、東海原発導入までの経緯を追った連載記事をまとめたもの。 やはりなによりも、導入当時日本には、だれも原子力について詳しい人間がいなかったのが一番の問題点。だからこそ日本学術会議は、いちから民主・自主・公開の三原則のもと、自分たちで原子力技術を開発していくという方針だったわけで、それが貫かれていたらどうなっているのだろうという思いにはどうしても至ってしまう。 2014/08/06
フロム
0
日本の原子力黎明期から、東海村の原発導入までを追った内容である。文章は読み易く、内容も期待通りなのだがいかんせん。朝日新聞の思想性か過剰に入りすぎである。茨城県での米軍誤射死亡事件やら特定秘密保護法の是非など。幾ら個人がどう思おうが本著において盛り込むべきではないし、やるべきではない。 内容もちょっと散漫な気がするので。手を広げず東海村の原子力関連に絞り込んでもよかったのではないかと言う気もする。2014/05/22
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