内容説明
動物行動学VS神学、決着はつくか?
「知の巨人の佐藤さんが本気で神を信じるのですか?!」
「竹内さん、世界中に宗教がある理由は?」
動物行動学にもとづき、『そんなバカな! 遺伝子と神について』など、多くの著作がある竹内久美子氏と、大学院で神学を研究した元外交官、佐藤優氏が白熱の議論を展開。キリストと遺伝子から、テロと浮気までわかる異色の対談!
【目次】
第1章 神様はホントにいると思いますか?
――宗教と科学のデスマッチ
第2章 聖書っていい加減ではないですか?
――天才イエスと悪人パウロの合わせ技
第3章 愛する隣人って誰のこと?
――血縁と非血縁のはざま
第4章 人はなぜ浮気をするのですか?
――パートナーと愛人の選び方
第5章 将来のこと、動物に訊いていいですか?
――人間と動物の合わせ鏡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
86
超一流同士の対談。内容が恐ろしく濃いために読後は疲労を感じますが、なんだかとっても良い疲労感です。2018/03/03
ehirano1
67
本書は俗に云う「するめ本」。読めば読むほど味が出てきます。神学と動物行動学、この2つのケミストリー(化学反応)の先には“人間学”がありました。つまり、人間学を神学と動物行動学を化学反応させて紐解くという非常に高度で且つ、画期的な内容だったと思います。2018/10/05
ehirano1
37
やはり超一流は他とは一線を画します。各々の専門分野を駆使し相手の質問に応えていきながら、相手の専門分野を吸収して即座に自らの専門分野に血肉としていく様子は圧巻です。2018/05/19
なっく
35
一般受けするとはとても思えんが、動物行動学とキリスト教に関心ある私としては、ツボにハマる箇所満載。もともと自然科学と宗教は相入れないものだけど(処女懐胎とかね)、進化論は決して生存競争や淘汰を示しておらず、環境変化への適合だけを説いており、またキリスト教も同じく世の中の状況に辻褄を合わせてきている(柔軟性というかいい加減というか)という意味で、いずれも人類の発展を両側から支えてきたのかも。他にも動物にもある同性愛や浮気とか、それが種の保存にも繋がることをキリスト教ではどう解釈するかとか、もう書ききれない!2020/07/23
みち
31
ドーキンス著「神は妄想である」の話から始まり、穏やかじゃないな、、と思われたが、両者とも良い感じに、押し引きしながら楽しまれていて、読んでいて楽しかった。動物行動学と神学とのアナロジーが新鮮。佐藤さん程知的な方が神様を信じるのが私も不思議でしたが、この本を読みどういう信仰を持っているのか少し分かった気がする。同時に信じるという行為は、知識とは別次元の行いだとも思った。利他行動について、浮気や種の起源などバラエティに富んだ対談でございました。2020/10/06