内容説明
ウィンター邸で男が殺された。男は保釈中の殺人犯で、裁縫用の鋏で胸を刺されていた。屋敷にいたのは70歳の老婦人と、小柄な聖書マニアの姪だけ。どちらかが侵入者を正当防衛で殺したのか? だが老婦人ネッダは58年前、この屋敷で9人の人間が殺された“ウィンター邸の大虐殺”以来行方不明になっていた女性だった。ネッダは当時12歳。果たして彼女が事件の犯人だったのか? 今までいったいどこにいたのか? 今回の事件との関わりは? 謎が謎を呼ぶ迷宮のような事件に、完璧な美貌の天才ハッカー、ニューヨーク市警のマロリーが挑む。/解説=若林踏
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
59
現代で起きた殺人事件と、58年前に屋敷で起きていた大量殺人事件。キーパソンは過去の殺人事件で生き残った老女。屋敷で何が起きていたのか?をシリーズの主人公マロニーを中心に捜査する話。こんな凝った構成で楽しめるはずなのだが、何となく読み難い。それが翻訳にあるのか、登場人物の多さか、ロジックの複雑さかはわからない。なので、面白さを十分に吸収できたとは言い難かった。シリーズを何冊か読んでいるが、今までも同じような印象を受けた気がする。2016/06/06
yumiha
40
前作で恋人を失ったライカ―は、もう立ち直ったのか本作では絶好調。マロリーとのコンビも、ばっちり意思疎通できていた。セントラルパークの中の古いウィンター邸で起きた58年前の9人の惨殺事件と絡んで、いつもの(違法?)捜査を進めるマロリー。圧巻のクライマックスは、聖堂のように高い天井をもつウィンター邸の火事。その長い階段を煙と酸素不足をこらえながら、生き残った老女を担いで出口を捜すマロリーの必死な姿。で終わりかと思ったら、ええっ!という意外などんでん返しが待っていた。マロリーシリーズでは、珍しいパターン。2020/02/03
akio
32
待ってました~!今回も変わらず個性豊かなキャラクターたちと、ゲスト(?)の引力のような魅力で物語がグイグイ進みます。個人的にはチャールズが色んな顔をみせて(マロリーに反旗を翻した衝撃(笑)‼)ハラハラドキドキ。ラストシーンは痛ましくも、そういった意味ではちょっと安心できたかな、なんて。後書きによると、次巻はがっつりマロリーにスポットがあたるようなので、ホント毎回思うんですが、翻訳よろしくお願いします!絶対買いますから‼待ってますから~2016/04/21
あっちゃん
28
あらすじに惹かれて借りてみたら、シリーズものだった(笑)でも、ヒロインの特異さと、周りの登場人物達との関係はすぐ掴めるし面白くもある!下手するとミステリー部分よりも、その人間関係の方が魅力的かも!いやいや、ミステリーもちゃんとしてますのでご安心を(  ̄▽ ̄)2016/06/05
しましまこ
24
嬉しい新刊、読み応えも見どころも萌えツボもいっぱい!過去の遺物の様な大邸宅での殺人。殺されたのはマロリーが逮捕した保釈中の殺人犯、マロリーの死体。屋敷には2人の女性、1人の部屋にはチャールズの夥しい写真、もう一人は58年前この屋敷で家族9人を殺されて以来、行方不明になっていた女性!過去の迷宮入りの事件と亡霊が入り乱れ、面白い。愛すべきチャールズ、ライカーの「さすがおれのおチビさん」。見え隠れする小さなキャシーに転がり、マロリーの兇悪な美しさに転がり、疲れたけど大満足。それにしても、チャールズ!!2016/03/21