内容説明
セ・パ両リーグ日本一監督による、日本野球への愛の鞭
セ・パ両リーグで日本一監督となった球界の伝説・広岡達朗氏が、84歳になってやっとわかった「野球の神髄」をまとめた、野球人生の集大成的な一冊。
新監督、大リーグから賭博事件、元選手の薬物逮捕といった近年の球界を取り巻く問題まで舌鋒鋭く斬り込んだ、日本プロ野球への「愛の鞭」が綴られている。
もくじ
巨人・高橋新監督の課題 ――まえがきにかえて――
第1章 名監督の条件とは?
原・巨人の敗因/清原を責めるだけでいいのか/ヤクルト・リーグ優勝の勝因はバレンティンだ/プレミア12の小久保監督は悪くない ほか
第2章 選手指導の神髄
阿部の後継者を育てなかった巨人のコーチ/繰り返されるオリックスの悲劇/メジャーからの復帰選手は1年契約・出来高優先にしろ/松井は巨人に帰ってくる ほか
第3章 日本野球よ、それは間違っている!
日本ハム・大谷の二刀流はやめろ/誤審問題の再発防止は機械化より人を生かせ/バントをしない監督/監督はマウンドへ行け ほか
第4章 頑張れ! 日本のコミッショナー
正力松太郎が泣いている/巨人の賭博事件は氷山の一角/外国人選手の扱い方/プロ野球改革5つの注文 ほか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュラフ
30
広岡達朗という野球界の第一人者をもってきたわりには中身の薄い一冊であった。清原の問題、野球賭博の問題、は今後のプロ野球の存続問題にもかかわるような重大事件だと思うのだが、たんにプロ野球界に入ってくる若者への躾が足りないのひと言で片づけてしまっている。また、巨人軍の監督交代劇(原⇒高橋)についても踏み込み不足。スポーツ新聞、雑誌のトピック記事程度のものでその問題についての深堀りがない。これらは著者の責任ではなく、編集の責任である。幻冬舎は大丈夫なのだろうか。最近あまり元気がないので少し心配になってくる。2016/07/30
まわる
12
今年の春の出版。カープのCS敗退で「カープファンよ、怒れ!こんなCSは間違ってる!」という広岡氏の記事を読んで興味を持ちました。曲がった事が大嫌いで聡明な広岡さんらしい、歯に衣着せぬ物言いに笑ったり焦ったり。入団した時の工藤公康に対し「この子は小利口だから、2軍に置いたら首脳陣の目を盗んで手を抜くだろう」と直感した、という発言には本気で笑った。「ネックウォーマーやめろ」に関しては84歳でなお元気な広岡さんに言われると…許してあげてください、あれはあれで可愛いんです…という気持ち。2017/11/11
T.Y.
9
タイトル通りの古巣ジャイアンツへの苦言と高橋新監督への提言から始まるが、それは冒頭のみ、むしろ本題は日本プロ野球全体への苦言。選手指導のあり方、戦術・チーム作りの疑問、そしてコミッショナー権限を拡大して行うべきこと…合気道の話とMLBのコミッショナーの歴史について紙面を割いているのが興味深い。一部事実誤認もあり、技術論に関しては反対の説を見たこともあって分からない点もあるが、見識は流石。野球賭博の話題が去年のものだが、これは「氷山の一角」、他球団は大丈夫かというのは、あまりにもタイムリー。2016/03/15
anken99
7
一気読み。84歳!になった広岡さんが、巨人、そして日本球界に残す、まさに遺言か。管理野球が看板だったが、意外や精神論に傾倒しがちだったり、あるいはバレンタインを酷評したり。。。ただ、間違いなく日本球界に革命を起こした広岡さんの言葉は、どこか愛情なのか温かさなのかにあふれている。監督は選手を親から預かっている、だから家族なんだ!との考えは、意外でもあり、共感も覚えた。今はもう86になっている計算だから、監督登板はもうないか。現代野球で広岡采配を見てみたいと思ってしまう。2018/09/23
ワンタン
6
巨人というより、日本のプロ野球界全体への遺言といった内容。この著者ならではの具体的なエピソードは意外と少なく、もっと大上段に構えた将来に向けての苦言、提言が多いのは、それだけ著者の危機感の表れなのか? 先日亡くなった豊田さんをはじめ多くの球界OBが同様の本を書いているので、書いてある中味にはそれほど新鮮さはなかったが、逆に言えば、それだけ色々な人から同じような問題点が、日本のプロ野球に対して指摘され続けているということだよね。2016/09/04