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内容説明
現在最もポピュラーな透視技術はX線レントゲン写真であるが、物体があまり大きくなりすぎるとX線では透過できなくなる。しかし素粒子ミュオンを使えば、ピラミッドや火山も透視できるようになる。ミュオグラフィが世界的に本格始動したのは2006年、本書の著者のひとり田中教授が行なった実験で、火山内部の最初の透視画像が得られてからである。本書では、この最先端科学技術のしくみ、ピラミッドの透視など歴史研究との関わりについて解説するほか、人工衛星によって「ナスカの地上絵」が次々に発見されている事例、沈没船を発見する水中考古学、リチャード3世の遺骨のDNA鑑定なども取り上げ、最新の科学技術によって歴史学がどう変わるかについてわかりやすく解説。文理融合の魅力に満ちた一冊である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Porco
15
タイトルにあるミュオグラフィのみならず、考古学で活用されている様々な科学的手法を紹介している本。2017/04/16
おだまん
3
ミュオグラフィアートに魅せられて。めっちゃワクワクした!2018/06/09
佐藤丈宗
2
ピラミッドなどの巨大建造物を透視撮影できるミュオグラフィ(素粒子「ミュオン」を利用したレントゲン写真のようなもの)を中心に、考古学・歴史学に利用可能な科学技術と、その現状と展望をコンパクトにまとめている。 ミュオグラフィのほかに水中考古学、衛星写真の利用、DNA鑑定も紹介されている。 新しい史料の発見に比べて、既存の史料を価値の低いものと評価しているようなところは賛同できない。しかし、文理の壁を取り払い、歴史学に新しい手法を取り入れていきたいという思いには深く共感できる。2016/01/23
はーと
1
面白い。なぜ、数百分の一秒の寿命である、ミュー粒子が、長い距離を走れるのか??・・・相対性理論で説明できます。ミュー粒子は、光速に近いため、その時間の流れが遅くなっているのです。2016/04/22
kenitirokikuti
1
ミュー粒子は電子の200倍ほどの質量を持つ素粒子である。原子核写真乾板で撮影できる。2006年に浅間山のマグマ溜まりを撮影した。2〜3kmの岩盤を透過する。ただ長期間露光が必要。このケースでは2カ月だった2016/01/17