サイコパス・インサイド - ある神経科学者の脳の謎への旅

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サイコパス・インサイド - ある神経科学者の脳の謎への旅

  • ISBN:9784772414074

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内容説明

「山積されたスキャン写真の最後に読影した脳スキャン画像はひどく奇妙なものであった。それまで私が記載してきたスキャン画像の中でもまさしくもっとも異常なものに思えた。この画像のかわいそうな持ち主はサイコパスであるか、少なくともこれとかなり一致する画像特徴を有していることを示していた。このスキャン画像の主が誰かに気づいた時に、なにかの間違いであろうと思いこまないではいられなかった……。しかし間違いではなかった。あろうことか、このスキャン画像の持ち主とはなんと私であった」(原書「解説より」)。
「人間の生物学的要因は,その行動にどの程度影響を与えるのであろうか?」
サイコパスとは,「精神病質(その人格のために本人や社会が悩む,正常とされる人格から逸脱したもの)である人」と辞書に記されており,共感性の低さ・自制心の欠如・大胆さなどに関連する先天性のパーソナリティ障害と言われている。本書の著者,神経科学者のジェームズ・ファロンは,サイコパスの脳の構造上のパターンを探していたところ,なんと自分が精神病質の脳の持ち主であることが判明。本書は,その後自らを研究材料に,精神病質と犯罪性との関連性を研究した結果を書き下ろしたものである。

目次

プロローグ
第一章 サイコパスとはなにか?
第二章 悪の醸成(Evil Brewing)
第三章 殺人者の脳
第四章  血のつながり
第五章 第三の立脚点
第六章 表沙汰
第七章 愛と他の抽象的なもの
第八章 私の脳内の一群
第九章 サイコパスの脳を変えることはできるのか?
第十章 なぜサイコパスは存在しているのか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆかーん

36
サイコパスを研究していた神経科学者。彼の脳スキャンの写真から、彼自身がサイコパスだと知ってしまいます…。そして彼は、己自身を実験台にサイコパスの理論を追求して行きました。1.サイコパスの脳の特徴。2.遺伝子の変異体。3.幼少期の虐待。これらの全てが当てはまった瞬間、サイコパスは異常者へと変貌してしまう可能性があるようです。彼の心理が安定しているのは、幼い頃の虐待が無かったからでした。しかし、彼の周りの人々は彼が変わりものだったことを語ります。彼自身『気にもならないこと』が周りには不可解に感じられたのです。2015/05/24

zoe

25
色々と気にならない人か、気になる人で、自分自身の分析できそう。サイコパシーの「三脚スツール」。脳のとある部分の機能低下、いくつかの遺伝子のハイリスク変異体、幼少期の精神的・身体的・性的虐待。PETスキャン画像で分かる。気にならない。サイコパスは2%存在する。人類にとってなぜ必要なのか。サイコパシースペクトラムにはスイートスポットがある。人類が環境に適応し、社会を保つために必要なものでもある。2019/07/20

ふぇるけん

19
サイコパスの研究者が、サイコパスと思われる脳画像を発見したら何と自分の脳画像だった、という冒頭から衝撃の事実。いったいサイコパスと呼ばれる人にはどういう特徴があるのかを調べていき、「三脚スツール理論」に至る。①脳の特定部位の著しい機能低下②遺伝子のハイリスクな変異体③幼少期早期の精神的/身体的/性的虐待である。幸い、著者は家族に恵まれたために犯罪者にならずに済んだ。しかし、後半の自分探しの旅では、友人や家族から著者の共感のなさ、他人を操作しようとする性質などを指摘されたことを赤裸々に告白。2016/03/11

くさてる

19
成功した脳神経学者であり愛する家族に恵まれていた著者が、自身の脳のスキャン画像がサイコパスのそれと変わりがないことを知り、己の人生を振り返りながらサイコパスと脳の関係に関して研究と考察を深めていくノンフィクション。冷静で頭が良く、自分を偽ろうとしない著者の言葉はとても正直でリアル。さらに、単なる生まれつきの要因に終わらないまま、著者自身の他の要因にまで話が進んでいく展開は、ちょっとした謎解きのようで、スリリングで面白い。医学的な専門用語もふんだんに出てきますが、そこら辺は読み流しても十分に読めます。2015/06/04

haruka

14
脳科学者が「いかにもサイコパスな脳スキャン」を見つけて名前を確認したら自分だった…。なのに自分はとても良い人で人に好かれている!なぜ?から始まる考察。自信に満ちた問いかけ。この本によって人の役に立ちたいという思いも伝わらない。普通のちょっと自己中な人。かっこいいネーミングのせいか、サイコパスだと酔いしれて高揚しているが、共感神経未発達障害でいいと思う。そこに血への興味と過酷な生育環境が重なったとき、やっとサイコパスになるのでは。彼らは自殺しにくいと聞いたことがあるが、自信満々で確かにそんな事しそうにない。2020/07/23

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