新潮文庫<br> 野性の呼び声

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新潮文庫
野性の呼び声

  • 著者名:ジャック・ロンドン【著】/大石真【訳】
  • 価格 ¥484(本体¥440)
  • 新潮社(2016/03発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 120pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784102111024

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内容説明

ゴールド・ラッシュ時代、セント・バーナードとシェパードの血をうけた飼犬バックは、ある日、邸から盗み出され、アラスカ氷原へと連れてゆかれた。そこには、橇犬(そりいぬ)としての苛酷な日々が待っていた。きびしい自然と、人間の容赦ないむちの響きに、バックの野性はめざめてゆく。数年後、広い峡谷を駆けてゆく狼の一群のなかに、毛並みのふさふさとしたたくましいバックの姿が見られた――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mm

15
人間との信頼関係と愛情を強く感じつつも、凍てつく厳しい自然の中で過ごすうちに、森の野生の本能の声に呼び戻されていく犬のバックの物語。「犬の」と簡単に呼ぶことに抵抗を感じるくらい人間以上にキャラが立っている。動物を擬人化するのはどうかということは、まあ置いておく。ここには行動を規定するのは遺伝なのか環境なのかみたいな対立も読み取れるし、野生の本能もすごいけど人間の欲望の方が凄いかも、という諧謔的視点もありそうだし、深読み出来そうなところが面白い。短文のリズムが効いていて、息を詰めて一気に読む感じ。2016/01/30

yashi_masa

8
自然や動物に主体を置いた文学作品が好きな私にとって本書は紛れもない充足感を与えてくれるものであった。一匹の犬か主人公なのだが彼が望む人間関係や自然に対する憧れが切々と伝わってくる。これは訳者の力もあると思う。しかし、その当時の背景や実際を知る著者のなせるものなのだと感じた。犬が主体であるから、人間を客観視し自然を独立した生命のように描く筆致に感心し、普段では感じる事のできない不思議な、また切実な生命の叫びを聴くような、まさに『野生の呼び声』なのである。飼犬からそり犬、そして野生へ。つづく。2015/05/09

mAri

8
ジャック・ロンドンは「白い牙」に続いて2作目。人間に翻弄されながらも、最後は心優しき人間の愛に触れ、逞しく成長していく犬・バックの生き様が描かれています。正直、愛犬家としてはソートンの側にずっと居て欲しかったですが、「野生の呼び声」に抗えない物があるのでしょう。逆に、人間に与えられた自分の仕事に死ぬまで固執したデーブの死も印象的でした。2014/06/22

makersat

7
著者の体験を犬視点で記述したのだろう。描写が豊かで極寒の大地が目に浮かぶようだった。主人公のバックは、飼い犬としての生活から一転、零下五十度の大地に連れられ、ソリ引きとして生きることに。徐々に原初から身に潜んでいた野生へと目覚めていく。時に残忍に思えるバックの様子は、厳しい環境においては一つの正しさを有している。そこに温い感情をもって嘴を差し挟むのは愚鈍に過ぎるというものだ(作中にも感情的な女性がいるが、とことん鬱陶しい)。それでいて、バックは愛情深くもある。大好きな人間を想う様は心を温かくしてくれた。2016/02/19

チェリ

7
この本は登山のときに読むと決めて持ち歩いていた。疲れて寝てしまうこと数回、やっと読み終えた。やっぱりジャック・ロンドンはいい! これは初秋の山小屋で読むのが最高だと思う。バックは凛々しい!2015/09/07

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