内容説明
世の中には平気で人を欺いて陥れる“邪悪な人間”がいる。そして、彼らには罪悪感というものがない―精神科医でカウンセラーを務める著者が診察室で出会った、虚偽に満ちた邪悪な心をもつ人たちとの会話を再現し、その巧妙な自己正当化のための嘘の手口と強烈なナルシシズムを浮き彫りにしていく。人間の悪を初めて科学的に究明した本書は、人の心の闇に迫り、人間心理の固定概念をくつがえした大ベストセラー作品である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
62
作者は心理学者で小説家ではない。ダラダラと書いている箇所もあり、読みにくい。しかし、全体を通して感じるのは、彼が精神科医として接した中で出会った邪悪な人々や邪悪さに対し挑む姿勢だ。それは宗教家が臨むかのような決意をも含んでいる。邪悪な人は犯罪者ではない、彼らは自分達を取り繕うすべを知り、そのために平気で嘘を付く。嘘を付いているという意識すらない。だからその犠牲者は彼らを決して悪い人だとは認識できないのだ。筆者はあらゆる悪の根源は、ナルシシズムと怠惰であり、悪の治療は愛によってのみ可能であると語っている。2014/03/12
はちてん
48
著者の言う平気で嘘をつく人とは邪悪で、邪悪とは自己正当化と怠慢な人。自分は悪くない悪いのは他人や社会だと信じている人。こんな人は個人レベルでは多いと思う、これが社会レベルだと恐い。読んでいて韓国のセオル号の事故から事件への経過を考えた。何故あんなに沢山の人々が死ななければならなかったのか。あの船の周囲には邪悪が蔓延していたのか。それにしても邪悪という訳語に少々違和感を感じた、キリスト教の素地からか。自分の邪悪さは置いといて、やはり邪悪な人に関わるのは嫌だ。でも、人って嘘つきだよ。2014/09/22
キムチ
40
頭を真っ白にして読むと面白い・・けれど、気がつくと洗脳されそうな本。「ほぉ~ら、ほぉ~ら、あなたは眠くなる」ってな具合で。読み耽ってしまう。というのも身近で具体的に類似の事例があるから。でもシャンと考えなおすと「確率的にはそう言えても断定ってどうよ」なんても思う。まぁ、一読の価値があるけれど、心理学的に啓蒙本とは云えないかも。2014/09/08
gonta19
38
2013/1/26 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。 2013/3/24〜3/26 本屋で偶然見つけて衝動買いした本。職場で力を持っている人がこのタイプの人で大迷惑している。読むだに恐ろしい人達だ。如何に対応したら良いのだろうか。2013/03/26
姉勤
37
心理治療したサンプルをあげ、犯罪を厭わない度を超した自己中やら、共感性の皆無など、人間の悪性の精神を、過度なナルシズムと、現実認知を怠る事とする、心理学者の分析だが、そもそも善悪を相対視出来ないことが、戒律的、可罰的な社会を醸成し、パラノイア的、他罰的人間を産むのではないか。若い頃仏教を学んだ割には、キリスト教的なモノラルな尺度で相手を断罪する。善悪が相剋し合うゾロアスターはキリスト教以前からあるし。一方、薄々自身の考えも、その悪性と同じではないかと気づいてはいるが、集合知の一助としては価値があると思う。2024/10/19
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