内容説明
安政7年、条約批准のため遣米使節団が江戸湾を出航した。勝海舟が艦長を務める「咸臨丸」には、瀬戸内の塩飽衆・吉松たち日本人水夫が乗り組むが、悪天候に悩まされ、病気も蔓延する。アメリカ人水夫との対立、士官・中浜万次郎への反発など不穏な空気の中、果敢に太平洋横断に挑んだ彼らを思わぬ運命が待ち受けていた。第27回歴史文学賞受賞作品を大幅改稿、書き下ろし後日譚「咸臨丸のかたりべ」を併載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
154
安静7年、サンフランシスコに向けて出向した咸臨丸。目的は日米修好通商条約の批准書交換。艦長は勝海舟。ジョン万次郎等も乗船しているが、日本人水夫にスポットを当てた物語。サンフランシスコまでの航海中は、悪天候に悩まされ、病気まで蔓延し船上だけにまさに戦場。それでも水夫達は頑張る。歴史の中に埋もれた水夫達の熱さが、臨場感があり良かった。吉松の行動が格好いい。そして、物語はもうひとつあり後日譚の物語。咸臨丸に魅入られた文倉平次郎。生涯をほぼ咸臨丸に捧げる平次郎の生き様も渋くて格好いい。【読んだ本登録1100冊目】2023/04/30
はらぺこ
32
咸臨丸が苦難を乗り越えて太平洋横断する話を期待したが、メインはサンフランシスコについてからの話やったので少々肩透かしを喰らった。併載の『咸臨丸のかたりべ』の方が好きやけど、吉松のその後か子供の登場を期待してしまったのでこちらも少し肩透かしになってしまいました。2017/03/21
Hong Kong @新潮部2025
24
読みともしんごろさんのご紹介にて。ありがとうございます~。面白かった〜。勝海舟、福沢諭吉などは、名前だけ?登場してもちょっとだけ。まるごと水夫たちの話。乗船中の苦労、ついてから、サンフランシスコの病院に入院してしまったらもう日本へは帰れないのではないかという恐怖。後日譚になる、書き下ろし短編、咸臨丸のかたりべ⇛文倉平次郎の小伝も入っていてとても良い。2023/06/22
てぃと
10
咸臨丸だからといって本書の主人公は勝海舟や中浜万次郎ではありません。サンフランシスコに到着しながらも咸臨丸で帰国できなかった水夫たちを主人公とした小説です。すべて史実に沿った話のようで、咸臨丸のアメリカへの航海の裏にこのような物語があったとは全くの驚きでした。この物語の後日譚とも言える本書後半の「咸臨丸のかたりべ」の文倉平次郎もスゴイ人物だな~。彼らのような誠実な日本人たちを誇らしく思いました。面白かった!お勧め本です!2025/08/05
ゆずこまめ
8
期待せずに読んだけど、これおもしろいです。幕末の時代にアメリカに行くというのは大変なことで、歴史に名を残した人もそうでない人も、みんな苦労をしたんだなーと実感。こういう実感って教科書ではわかないですよね。難しいことは置いといて、登場人物がみんなかっこよくていいです。男も女も!2011/12/20
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