内容説明
崩壊寸前の鎌倉幕府と朝廷との対立が続く混乱の時代を、強烈な個性で生きぬく吉田兼好。そして兼好が綴りつづける『徒然草』は、彼の仕える邦良親王への帝王学の書だった――。無常迅速、定めない世を、兼好は尊治(たかはる)、のちの後醍醐帝暗殺というひそかなたくらみの実現をめざして生きた。女に欲望を放ち、智謀を尽くし、殺人技を駆使してみずからの求めるところをめざす。稀代のマキャベリスト兼好の壮年期をとらえ、絢爛と展開する人生ゲームを描いた、野望に満ちたピカレスク・ロマン!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本匠
11
嵐山光三郎による歴史小説。この方が歴史的人物を書くと、皆、不良で武術や忍術をマスターし、途轍もなく強いという傾向がある。恐らく自分自身の理想像を投影しているのだろう。本書の吉田兼好は加えて女好きでもある。娯楽小説ではあるものの、政治などの時代背景や古書籍からの引用(おそらく大嘘もあるけれど)などは感心する部分もあり、単に受けだけを狙った本では無いとは感じた。2017/09/24
Romany
0
兼好の真実?2010/04/04
山根清志
0
面白い! 米粒写経の居島一平氏がある番組で紹介しいたので、読んでみた。改めて徒然草を読み返したくなった。2021/03/16