内容説明
「あなたは余命6ヵ月です」。人によって、普段の生活のなかで大切にするものが違うように、突然、病によって人生の期限を区切られたときの行動もおのずと十人十色に分かれる。「余命6ヵ月以内」の診断によって、生前に最高3000万円程度の死亡保険金を受け取ることができる「リビング・ニーズ」という保険。従来の生命保険は、自分が死んだ後に保険金を家族に残す、つまり死んでから遺族が受け取るのが基本だった。「死」を前にした大金。本書はそれを現実に手にした5人の患者の人間ドキュメントである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うたまる
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「人間、最後の最後になって、そんなにたいそうなことをやりたがるもんじゃない」……生命保険のリビング・ニーズ特約を使った余命6ヶ月のガン患者5名のドキュメンタリー。人生の最後に人は何をしたいのかに関心をもって読み始めたが、驚くようなことは何一つ無かった。だからつまらない、と言いたい訳ではない。気になっていた借金を返済し、家族のために家を改築し、負担となっていた医療費に回す、という生真面目な日本人らしいお金の遣い方だった。尚、終末医療、余命告知、医療費負担などに話題が広がり散漫になるが、これはこれで良かった。2015/08/10