内容説明
人情と猫で有名な下町の大学病院に勤める、医師の鳥羽裕太と事務の夏海。裕太が夏海の甥をかばって事故に遭ってから二人は親しくなった。事故直前の記憶がなくなってしまった裕太の、当時の行動を解き明かそうとする二人だったが、そのほかにも町では「日常を突き崩す」事件が次々に起こり――。夏海の行動力と裕太の頭脳が事件をチャキチャキッと解決に導く、ミステリー連作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
202
ねこ年ねこの日のねこねこ小説( ¨̮ )。『なぜ猫は旅をするのか?』に殆ど迫れず?! 犯罪のないほのぼの系ミステリーの連作5篇+総括1篇の計6話。どの話にもネコちゃんが出てきて存在感を示しますが、話の中心では無くて添えるだけ。鳥羽さんと夏海さんは、知り合い以上恋人未満みたいな関係なのですが、最後迄何事も無かったなー。どちらかと言うと、そこを中心に見てたのですけど。解説の大矢さん、文芸評論家さんだけあって流石に鋭い。成る程です。高次脳機能障害とは何か。その啓蒙と言うか、理解の拡大も裏テーマ何ですかね。2022/02/22
mocha
95
下町の商店街を舞台にした、ほっこり系ミステリー。主人公は一年前に事故に会い、事故当時の記憶をなくした精神科医。以来少々ぼんやりしている彼だが「頭の中が片づく」ように謎の解明にひらめきを見せる。登場する下町の人びとがあったかくて、とても気持よく読めた。地域猫がたくさんいる町だけど、特に「ねこ小説」ではなかったな。大矢博子さんはやっぱり解説がうまい。2016/02/03
したっぱ店員
40
やわらかい日常の謎ものっぽい短編集ながら、記憶喪失とかちょいちょい挟まれる不穏なワードで、最後にヘビーな真相が来る!と期待してたら、ほのぼののまま終わった(汗)。肩透かし感は否めない。猫もそんな関係ない話多いし。ビターな他作品のファンなので先入観を持ちすぎたかなー。なんかすみません。2016/06/21
み
23
さくさくと♪ヒナコさんの作家さんですが、今作はむっちゃほのぼのした日常の謎解きでした(^o^)2017/05/02
tom
20
アンソロで気になった作家さんで長編は初だけど、1冊目に選ぶ本ではなかった気がする…普段のテイストと違う感じですよね。するする読めたけど…ちょっとカップルが始終一緒に居すぎて何故か読んでるこっちが居心地悪かった。こんだけ一緒にいるのに昼休みにまで彼女に電話しようとしてる…!とか変なところ気になってしまった。2016/12/23