内容説明
ベストセラー講師、相澤理の最新授業!
――少なくとも、東大の日本史に歴史の〈流れ〉は関係ありません。
問われるのは、むしろ〈淀(よど)み〉とでも言うべきものの方です。――
カリスマ予備校講師による「対話調」の文章と、
豊富なビジュアル史料で、リアルな歴史が浮かぶ!
(内容)
<古代>天武天皇が悟った「政治の要は軍事なり」とは?
<中世>頼朝政権が勝ち残った、鎌倉の「地政学」
<近世>農村の危機と松平定信の幕政改革
<近代>「民衆」が動かした倒幕への道
これまでの歴史の見方が覆る、史実までのあらたな道を発見する一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hk
4
日本の近世は「太閤検地」 「刀狩り」 「戸籍制度導入」 「度量衡の統一」 「荘園制解体」 からスタートしたという指摘は日本史と世界史の貴重な接合点になる。秀吉が貴族の収入源である寺社と民衆を武装解除させ荘園を完全に解体し、貴族の時代に終止符が打たれ、士農工商という身分制度の時代が訪れた。「7世紀に大陸・唐からの圧力に対抗するため大宝律令・戸籍制度の導入で中央集権化して中世の幕が開け、16世紀末に大陸・明に進攻するため太閤検地と刀狩りを行い再び中央集権化の土壌が作られて中世が終焉し近世の幕が上がった」 2016/03/04
yyrn
3
歴史を覚えるためには、考え抜かれて編纂された教科書を理解することが大事で、そもそもテストは教科書の理解度を測るため、順序立てて考えれば解答にたどり着くように設定されている、というがこの本でよく分かったが、ただ歴史の面白さとは違う次元の話だなとも思った。受験勉強で基礎を身につけた若い人たちは関心を持った歴史上の出来事や人物をさらに追いかけてもらいたい。教科書では「へえーそうなんだ」で終わった事もノンフィクションや小説で辿ると、また違った深い感銘が待っているハズだから。2016/02/20
corriedale_
1
おもしろかったけど 問題は解けてない。基本的な知識をふまえて、"質問に的確に答える"ことの難しさよ。文章の巧拙はわかっても 見るとやるでは大違いだよなぁとか。いろいろ言われてても やっぱ東大は東大としてすごいよな。2020/02/29
MrO
0
いつもながら、面白い。これは、東大の入試が面白いということではなく、歴史が面白いということである。歴史の面白さを、面白く出題する数少ない大学の一つが、東大というだけのことである。京大の数学なんかも、十分面白いのだけれど、やっぱいまだに、東大ですかね。2016/09/10
rinv0925
0
「東京大学の入試問題だから、とてつもなく難しい」という偏見を可能な限り払拭していく書物。「そもそも自然に流れる歴史なんて勉強する意味がない」という作者の奇抜な視点から東京大学の入試問題の思考し、面白さを改めて俯瞰。「歴史は<流れ>ではなく<淀み>から問われるものである。」2016/05/22