内容説明
著者のもとには多くの心の不調を訴える男性がやってくる。会社でゴミ扱いされアルコール依存症になってしまった人、勤務評価の会議が苦痛でうつになった人……。男性特有の思考の問題点をあぶり出し、楽になるためのヒントを提案。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
5 よういち
92
心療内科医の著者が、男性たちの『臨界感』を強く感じるという。◆ストレスに強くなる方法の伝授。納得できる内容で、自分のメンタル、他人のメンタルを考えるうえで非常に役立つと感じた。◆人は誰でも「リジリエンス(回復力)」を持っている。◆メンタルヘルス維持の基本『深呼吸』『適度な運動』『睡眠』『気持ちを話せる仲間や家族』『自然とのふれあい』◆考えに柔軟性を◆ストレスに強い人が持つ『首尾一貫傾向』/ストレス要因があっても「これは起こり得ることで、自分はなんとか乗り越えられる。大変だが意味のある事」と挑戦と受け止める2019/12/28
ベイマックス
69
色々思うところはあるけど、うまく気持ちを文章化出来ない。2021/01/06
壱萬参仟縁
41
多くのエリート男性は心の病気は大きらい。絶対受診したくない。弱い人間がかかるイメージ。弱い男はよくない(37頁~)。SOSの第1のサインは、イライラ、怒りっぽい、攻撃的になる、孤独感、気分の落ち込み、やる気のなさ。第2は食欲不振、過食、睡眠障害、肩こりやめまい、耳鳴り、頭痛。第3は仕事上のミス。第4は表情(83頁~)。非正規の7割は女性で男性は正規雇用のイメージで、男なのに非正規という、逆性差差別(87頁)。2016/04/12
kayak-gohan
35
うつ病になるのは女性の方が多いが、そこから自殺に走るのは男性の方が多い。女性から言わせると、「男って弱いから」らしい。その理由を知るために本書を手にした。ステロタイプな男らしさ観念、鈍感=強い→善、敏感=弱い→悪、といった考え方がいかに男性の価値観を歪め、環境変化への対応力を弱めているかが事例を通して実証されている。事例は職場の上司部下の人間関係だけでなく、夫婦のすれちがいにも及んでいる。筆者はそんな絶望的状況から脱出するための手がかりとして、「心の生活習慣を変える」ことを提案。首肯できるものを感じた。2016/07/10
リキヨシオ
33
「男性はこうあるべき」という意識は強いものの社会は驚くべき速度で変化している。弱い男はいけない、男は強くなければならない、男はじっと耐えなければならない、男は弱音を吐いてはいけない…と自他共に理想の男性像として考えてる人も多い。勤め先も仕事も安泰ではなくなった今やアルコールとタバコにしか逃げ場がなくなった社会人男性が増えている。日本人全体的に自分もそうだけど、感情を出すはよくない事と誤解している。自分の出来事、考え、気分、行動を客観的に分析して感情を正しく出す事によりストレスとうまく付き合えるのだと思う。2016/02/20