内容説明
少年たちの心の揺れをみずみずしく軽やかに描いた作品。淡い初恋、大人の男女間に流れる波紋、出会いそして別れの予感。――ちょうど同じ時間、兄の中子充は安直な片思いの恋に落ちようとしていた。(中略)思いがけず川並由佳が振り返って自分を見ていた。川並由佳が自分の名前を知っていた。知っていたばかりか、彼女の方から中子君と呼びかけてきた。たったこれだけのことで、充の片思いは始まったのだ。――本文より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
舟江
4
三月に的を絞った本を読み始めた2冊目の本。 親同士が友人である家族の一方が東京から越して来た。それらの家族の一年間を、透明な水彩画の様なタッチで描いている。20年前に出版された本だが、新品のように図書館の棚に並んでいた。2017/04/11
eneo
2
不思議な手触り。濃厚な空気。2008/03/04
ちょろいも
2
繊細でゆきとどいた世界。2008/01/16
蔷华
1
三月生まれだから読んでみたのに清孝が三月生まれはバカで情緒不安定とか言う2014/01/17
ウラカタ
0
本書は、三月生まれの少女・志乃が教室での葛藤自己成長していく物語です。彼女がクラスの中で怖い孤独感や他人との距離感が、特に、周囲の人々とのなんとなくな不安が描かれ、感情が小さな波紋のように表面変化し、彼女の内面と外の世界との間さざ波が起こる様子が印象的です。2024/11/12