内容説明
りえの下に届いた一葉の写真は、自らの出生の秘密を解く鍵だった――。昭和初期の函館で亡命ロシア人一家に女中奉公に出たさわは、いつしか主人を愛するように。が、生まれたばかりの子を妻に奪われ、一家は戦火を逃れて大連へ。遊女となったさわは愛する男と子供に再会するため海を渡る……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみえ
11
辛いお話でした。戦時中の亡命ロシア人達のことも不勉強で、大変な苦労をされたんですね。いつの世も堂々と手を繋ぐ事が出来ない男女関係ってあるもので、悲劇。でも、さわさんの人生を否定したくない私がいます。2018/06/27
豆大福
10
どんなに歳を重ねたとしても、自分の出自を知りたいのはわかるような気がする。函館を旅行したことはあるが、当時ロシア人がそんなに多かったとは知らなかった。2018/03/10
拓人
7
最初は、ごく普通の60歳を過ぎたおばあちゃまの、お孫さんとのほのぼのとした話かと思ったけど、そうではなかったですね~^^; 谷村志穂さんは、ロシアがらみの小説を書かせると、天下一品ですよ(^^♪ ものすごく悲しくて、ものすごく切なく苦しいラブストーリーでした(涙) 2013/10/01
ちーちく
5
自分のルーツを探るうちに明らかになる、父母をめぐる壮大な物語。哀しくて少し狂気の混じるお話なんだけど、すごく透明感のある描き方が気に入って一気読み。愛と嫉妬。その意味で秋山氏と小杉氏は似ている。さわとりえも似ている。でも女性は誰でもさわみたいになってしまう可能性を持っているんじゃないかな。「人の道を外した」と一蹴することは簡単だけど。戦中の外国人排斥についても理解が深まるので、もっと沢山の人に読んでもらいたい作品。個人的には今まで以上に旦那様を大切にしていきたいと思った、、、2017/09/02
ジュール
3
戦時中の函館、満州でのさわとロシア人の恋。 さわの子供であるりえのさわを探すたび。 ただそこまでおもいつめるのが何か、共感できなかった。2015/11/21