ハヤカワ文庫SF<br> あまたの星、宝冠のごとく

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ハヤカワ文庫SF
あまたの星、宝冠のごとく

  • ISBN:9784150120559

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内容説明

地球からの異星調査隊が不思議な共生生物と出会い深い関係を結ぶ「いっしょに生きよう」、神の死の報を受け弔問に来た悪魔の考えた天国再活性化計画が意外な展開を見せる「悪魔、天国へ行く」、55年後の自分と2週間だけ入れ替わった男女が、驚愕の未来に当惑する「もどれ、過去へもどれ」など、その生涯にわたってSF界を驚かせ強い影響を与え続けてきた著者による、中期から晩年にかけて執筆された円熟の10篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

71
1987年5月19日ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアことアリス・シェルドンは寝たきりの夫を射殺し自分も銃で自殺を図る。本編はその一年後に刊行された短編集。自分の頭を打ちぬくなんて、それも若くもない女性がと驚くが、元CIA職員だったと聞けばその度胸も腑に落ちる。『たったひとつの冴えたやりかた』同様「もどれ、過去へもどれ」も自分で自分の終わりを決めるヒロインの物語。作家ティプトリー・ジュニアの「自分(と愛する人)が自分の思う姿でなくなるくらいなら、死んでしまった方がましだ」という考え方が色濃く出ている。2020/03/03

とも

56
死後に発表された最後の短編集。 「もどれ、過去へもどれ」 55年後の自分と入れ替わるタイムリープもの。幸せってなんだっけ、残酷で切ない。接続された女的。「肉」 食肉が枯渇し貧富の差がある世界の話。これは…そういうこと!?誰か否定して欲しい。「すべてこの世も天国も」 小国の王女と強国の王子のロミジュリ的な恋物語。寓話的。 「アングリ降臨」 「悪魔、天国へいく」 あたりも秀作。 暗く皮肉な作品が多い印象、どうしても作者の老年期や最期と重ねてしまう。ティプトリーは一読だけでは消化不良、そのうちまた手に取りたい。2026/02/09

miyu

50
私にはSFが解りません。大切なことだから二度言います。「私にはSFが解りません」もちろん初ティプトリー・ジュニア。なのに読み始めるとどっぷりと頭のてっぺんから足のつま先まで浸りました。なにこれ、ものすごく好みのタイプだ。硬質の文章かなと思ってると言ってることはウェットだったりするし、突き放すかに見えてぎゅっと抱きしめられたような錯覚もあった。ツンデレ系だ。こちらに好き勝手に想像させてくれる包容力も感じる。書いたのが実は女性と知り、あまりの男前ぶりに惚れてしまった。今まで読まなかったのが悔やまれる。大好き。2016/09/22

ひさか

31
2016年2月刊。原著は、1988年に刊行された。10篇を収録。原題のCrown of Starsが「あまたの星、宝冠のごとく」となっているところが、素敵で良い。伊藤典夫さん訳の「いっしょに生きよう」が、最も楽しめた。小野田さん訳の「ヤンキー・ドゥードゥル」は、キツイ内容で心に残る。独自色の強い世界観が展開され、馴染むのは難しい。2016/05/20

TSUBASA

30
ティプトリーは本当うっとりするような邦題が多いなぁ。死後刊行された10編の後期作品が収められた短編集。全体的にハッピーな部分もあるけど、ペシミスティックというか絶望的な部分が多いのが特徴か。薬漬け軍人の苦しみ『ヤンキー・ドゥードゥル』、共生生物との第三種接近遭遇『いっしょに生きよう』、青年時代、未来の自分との入れ換わりという形でタイムトラベルを経験する『もどれ、過去へもどれ』、地球と結ばれるため万事を尽くす誇大妄想な女性の壮大な官能SF『地球は蛇のごとくあらたに』などいずれもバラエティ豊かで面白い。2021/01/11

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