ハヤカワ・ミステリ文庫<br> マプチェの女

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ハヤカワ・ミステリ文庫
マプチェの女

  • ISBN:9784151816017

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内容説明

過酷な過去を生き延びた一族の血を受け継ぎながら、村を離れて都会で生きる、部族の女性ジャナ。だが彼女はとある殺人事件に巻き込まれてしまい……フランス本国で注目の作家による、鮮烈なミステリ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

88
図書館の新刊コーナーで「マプチェ」という聞きなれない言葉に魅かれて手に取りました。カリル・フェレ、初読です。少数民族(マプチェ族)に関する殺人事件なのかなと思っていたら、ロバート・ラドラム的展開で最期は女ランボーと想定外で楽しめました。数年前にブエノスアイレスを訪れたこともあり、物語に入り込めました。著者は仏人作家ですが、フランスとアルゼンチンは、スペイン、イギリス等と比べるとあまり接点がない気がしますが、ブエノスアイレス自体が南米のパリと言われているので、フランス人的には違和感がないのかも知れません。2016/05/05

のぶ

70
舞台はアルゼンチン。主人公はドラッグと売春に薄汚れた街で暮らすマプチェ族の女性ジェナ。そんな背景なので物語の雰囲気は明るくない。話の縦糸はジェナの友人が失踪し、惨殺死体で見つかった事件を探る話。この本で解らなかった事と楽しめた所があった。解らないのはマイノリティのアルゼンチンでの当局とのスタンス。楽しめたのは南米独特の世界で、タンゴ音楽やミュージカル「エビータ」の世界を味わえたこと。国の近代の政情が不穏な世界の中でよく描かれていて、自分は読み切れなかったが物語の奥は深いのかもしれない。2016/06/10

RIN

37
圧倒的な熱量の大作。文庫で650頁、しかも上下左右の余白ぎりぎりで、見た目の厚さ以上の大長編。アルゼンチンの、ほとんど内乱と言っていいんじゃ?という軍事政権の非道さは映画や海外小説の1場面でちょろっと出てくるくらいだが、ナチスと変わらない悪行に国際的世論はどうだったのだろう?という、本筋とは別のところも興味深い1作。150頁くらいまでは背景となるアルゼンチンの政治状況の説明に割かれ、その非人間的な内容に何度も挫折しそうに。中盤からはロマンスサスペンスばりにぐいぐい進む。好みは別れそうだが、読み応えは十分!2018/02/01

わたなべよしお

33
久しぶりに骨太なミステリーを読ませてもらった。現代アルゼンチンの暗部は、底なしの深さで、まともに読んではいられないほどだった。こういう社会、時代性を背景に、あるいは織り込んで書かれた本は重厚で、キリキリとしたような緊迫感を持つ。思えば、ハリー・ボッシュシリーズも初期の作品はベトナム戦争を背負っていた。2016/03/30

ほちょこ

22
陽気な南米アルゼンチンのイメージを払拭するような、貧困と暴力の日々。最後まで救いのないストーリーに一度挫折するも、こんな分厚い本を新品定価で買ってしまったことへのケジメ(!)として、頑張って読んだ。ムショーに甘いものが食べたくなった。(そうでもしないと、ヤリキレナイ感でいっぱいになる)2016/12/01

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