内容説明
日々所作を美しく、心豊かに
500年続く日本の美を、92年の精進をかけて守る気骨とは?
日本国内のみならず、国際的な視点で活躍し、茶道文化の浸透と世界平和を願う茶道裏千家第十五代家元・千玄室氏。「一わんからピースフルネスを」を提唱し、茶の道をきわめた著者が教えてくれる、私たち自身が忘れつつある日本人の心とは。疲れた現代人のためのエッセイです。
もくじ
第一章 日本人なら知っておきたい茶の心
●なぜ大変な手間ひまをかけて、お茶を点てて差し上げるのですか
●同じ茶碗で飲み回すから、絆が強まるのです
●入口を小さくしたのには、大きな理由があります ほか
第二章 奥深くてためになる茶の湯の名言
わびさび・枯れて見えながら熱き思いを内に秘めます
和敬清寂・目には見えない心の汚れに気づくには
守破離・一から始めて十に到達したら、また一に戻りましょう ほか
第三章 日々所作を美しく、心豊かに
●相手の呼吸を読み、タイミングをつかむには
●季節の移ろいを感じる、ぜいたくな時間 ほか
第四章 日本人の生き方、伝えます
●平和ボケの日本に未来はありません
●外国語を話せるだけでは国際人になれません
●若い人と張り合うのではなく、自分らしく現役を貫く覚悟です ほか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
9
▼著者は裏千家の元家元。エッセイの中で茶湯の歴史やお点前の意味、名言、著者の考えなどを紹介している。▼ 冒頭から「裏方仕事をこなしてこそ、表舞台に立つこもができます。」とか、自己啓発本に近い内容でもある。▼ 政治的に保守という感じで、そのことが伝わってくる文言もある。「茶は人と人との差別も区別も無くなる。」という言葉は、なるほどと感じた言葉だった。▼家元として、良い意味で浮世離れした高尚な精神論を聴けるのかしらと期待したが、若者に批判的で説教臭い文も多く、期待外れだった。2023/07/19
たかこ
8
ずっと表千家でお茶を習ってきたので、お裏さんのは…と思っていたが、ここのところ「茶道」という大枠で考えてみようと思い、茶道関連の本を手当たり次第に読んでいる。千玄室宗匠のお言葉は全うで、本当に芯の通ったお人柄であることが伺える。戦争を生き抜き、お家元として日本人としての在り方を問うてきたからこそなのだと思う。長年茶道に携わっている中でよく言われること、「茶道は堅苦しい、ルールとかいっぱいあるんでしょ」ということ。お茶を飲むのに、何でそんなに堅苦しいと思われるのか、お茶なら飲めるのに…(続く)2020/05/04
中川采美
7
再読。 文化の物差しを持つこと。 心の拠り所としての茶道。 日本人としての大切な考えが丁寧に書かれている。 やっぱり裏千家が好きだなあ私は。2016/08/01
ひめぴょん
6
特攻隊員の生き残りでもあり、生かされているという思いで、茶道の家を継いで国際的な活動も続けてこられている方。それだけに、深い内容があります。茶室は入り口(躙口、にじりぐち)を狭くしてあるところが多いです。刀やその人の身分にまつわるものを捨てて、頭を下げて、足元を見て、その中に入るという形をとります。身分・肩書・貧富の差その他上下貴賎の別なく、「一期一会」を大切にお互いを敬い、大切にもてなす場。そういう場に身を置いた気持ちになって、自分と周囲の関係をもう一度見つめなおすとよいかもしれません。どうしても、2020/10/28
ブロッコリー
4
図書館 。当たり前のことを当たり前に。 利休7則のように。 茶は服のよきようにたて、炭は湯の沸くように置き、 夏は涼しく、冬は暖かに。 花は野にあるように。刻限は早めに 。降らずとも雨の用意。 相客に心せよ 当たり前のようでいて当たり前にできないこと2019/11/10
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