内容説明
京ならではの新しい料理を生み出そうとするが、周囲に受け入れられず苦悩する板前。許嫁が花街に売られるのを阻止するため、名画「雁の絵」で一か八かの勝負に出る表具師。悲惨な死を遂げた恋人への思いを一対の雛に忍ばせる人形職人……。匠に生きる男とそれを支える女の哀歓を円熟の文章で綴る傑作時代小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ともとも
14
江戸、戦国の京都を舞台に、美しい芸術、美味しそうな料理 京都の伝統、美を感じつつも、味覚、食欲をそそられてしまいます。 そして、人間の光と影の部分を描きながらも、健気で、強く、そして懸命に生きている。 なんの交じりっけがなく、物語の世界観が鮮明且つ生き生きとして描かれていて、 古き良き京都の、そこで暮らす人間の光と影といった姿(現実)を踏まえながらも、 物語の世界(京都とそこで生きる人間)の魅力が充分に詰まった、 さらには読み手が持つ全ての感覚を良い意味で刺激する、そんな一冊で良かったです。2015/02/05
タツ フカガワ
9
京の町を舞台に人形師や染め職人、表具師など、職人の技に絡んだ7話の短編集は、お仕事小説としても面白い。好きなのは人形師の復讐譚でもある「二人雛」、貧乏公家と豆腐屋、おかき職人の交流が心温まる「竹のしずく」。2019/12/02
六
1
あまりひねりもなく、ただのいい人の物語なので登場人物が際立たず、はなしも単調になってしまいただの傍観者となってしまいました。2010/07/19
りり課長
0
66P2014/07/21
sigematm
0
55点2010/05/22