- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
本書は、昨年から刊行し始めた、陽明学の泰斗・安岡正篤の「現代活学講話選集」全七巻を締めくくる一冊である。これまでに、『十八史略(上・下)』『孟子』『人生の五計』『酔古堂剣掃』『先哲が説く指導者の条件』の六冊を刊行してきた。どれもが「名著」の名に恥じぬ内容であるが、「王陽明」という、内容・テーマともに本シリーズの掉尾を飾るに相応しいものとして、本書を最終巻に据えた。実は、これまで安岡正篤には、東京帝国大学の卒業記念として出版した『王陽明研究』と、「王陽明伝―王陽明の生涯と教学」(王陽明生誕五百年記念『陽明学大系 第一巻』所収、昭和四十六年)の二冊の陽明学研究の名著がある。しかし、本書が前掲の二冊と趣を異にするのは、「分りやすく」と「平明に」に重点をおいている点である。その意味において、陽明学研究の「第三の名著」であるとともに、難解と言われる陽明学の入門書としても、右に出るものはあるまい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大先生
10
安岡先生と陽明学の出会いや、王陽明の人生について書かれた本です。有名な「知行合一」「致良知」「山中の賊を破るは易く、心中の賊を破るは難し」の話も出てきますが、意外にもそこはかなりあっさり。王陽明の先祖や師匠、弟子などに関する解説の方が詳しいくらいです。因みに、安岡先生は、陽明の言葉のうち「一摑一掌血、一棒一条痕」が好きだと書いてあります。ところで、陽明は死ぬ間際、「吾去る。此の心光明亦復た何をか言わん」と呟いて永眠したそうです。ある意味、【我が生涯に一片の悔い無し】のラオウに近いものがありますね(笑)2021/12/17
耳目之学(不定期更新中)
2
戦後最高の陽明学者として名高い安岡正篤による王陽明の伝記です。安岡さんの本は「処世術」や「帝王学」などのテクニックに重きを置いている物が多いような気がします。この現代活学講話集(全7巻)も例にもれないわけですが、今回読んだ『王陽明』だけは少し性質が異なります。師匠・王陽明に対する安岡さんの熱い思いが綴られています。その点でプラトンが師匠・ソクラテスの最後を書いた『ソクラテスの弁明』や『クリトン』と通ずるものがあります。2011/05/01
ぱぷあ
1
王陽明の実績から彼の思想の成り立ちを学べる本。陽明学を学びたい人には、「人生と陽明学」をオススメします。2016/07/25
たくや
1
☆陽明学には三島由紀夫や安岡正篤が伝承する左派と、山田方谷や林田が伝承する右派が存在している。どちらも読んでみて個人で判断することをおすすめする。2012/12/02
jiroukaja
1
少し利を説きすぎてるように思うのはそういう層向けだからなのかな2010/02/19